子どもが“幸せ企業”をデザイン!ピエオーノ湾の「ベンチャーデー」、未来を動かす夢ピッチ大会

小さな起業イベント会場でランドセル姿の子どもたちが自作のポスターを持ち、笑顔で発表する様子。 スタートアップ支援
子どもたちが堂々と自分の夢を発表し、大人たちも温かいまなざしで見守ります。

静岡県のピエオーノ湾沿いで、のびのびと風が吹きぬける朝。町の小さなインキュベーション施設に集まったのは、大人の起業家たちではなく、ランドセル姿の子どもたちでした。「もし自分たちが会社をつくったら、どんな世界にしたい?」。そんな問いかけから生まれた“子ども社長ピッチ大会”が、今年、多くの笑顔とイノベーションの種を生みました。

ピッチの主役は、小学3年生から中学生までの10名。彼らは商業用のドローンを使い、町に光るメッセージを空から描いて“幸せお知らせ便”をつくるとか、みんなで食べきれる分だけ野菜を育ててローカルの加工品にするアイデアなど、小さくてもキラリと光るビジネス構想を次々発表しました。なかでも目を引いたのは、小学生チームの高松杏理さん(11)が提案した「つながる手のひらプロジェクト」。寂しさを感じた人に“仮想の手”を届けるアプリで、親子や友達の間で笑顔のやりとりができたらと夢を語りました。

審査員として参加した近隣のスタートアップ創業者・野村綾斗さん(37)は「子どもだからこそ考えつく、大人も忘れかけていた優しさや率直さに、心が洗われた」と感心しきり。イベント主催のインキュベーション施設「エールフィールド」代表・山端留夫さん(54)は、「ビジネスや資本政策は大人の専売特許ではない。知的財産だって、まずはワクワクや思いやりから始まる。“大人も一緒に夢をかなえていけばいい”と気付かされました」と語りました。

この日、会場には地域の農家や、リタイアした町工場の職人たち、大手IT企業と業務提携を目指す若手ベンチャー社員らも来場。ピッチの後には“共同創業者マッチングおにぎり会”も開かれ、各チームと参加者がテーブルを囲みながら、新たなコラボレーションを約束し合う姿があちこちで見られました。出資を申し出る声も数件あり、発表したアイデアを本当に事業化しようという流れも生まれています。

SNSには「#未来社長運動」「#手のひらつながる」のハッシュタグが拡散。「子どもも大人も、町ぐるみで夢に一歩近づいた日」「真剣なまなざしに胸が熱くなった」といったコメントが並びました。ピエオーノ湾では今後、子どもたち自身が法人設立を体験できる“ちびっこ企業ウィーク”も検討中です。心地よい風に吹かれながら、住む人たちのすべてがイノベーションの主役になる――そんな新しいスタートアップ支援のかたちが、ほのぼのと生まれようとしています。

コメント

  1. うちの子もピッチ大会に出てみたい!子どもたちの発想って本当に自由で素敵ですね。『つながる手のひらプロジェクト』には思わず泣きそうになりました。優しいアイデアがどんどん増えてほしいです。