緑がきらめく初夏の多摩川河川敷に、今年も「みどりフィールド・サステナブルマラソン」の歓声が戻った。けれど今年の主役は、化繊ユニフォームに身を包んだ若者たちだけではない。ひときわ注目を集めたのは、全員が100歳以上で構成されるランニングチーム、“百年ランナーズ”だった。
“百年ランナーズ”のキャプテン、荒井壱助(103)は、孫の春樹と一緒にコースへ立った。荒井は「エシカルスポーツブランド『フウコウ・ファクトリー』が開発した再生ペットボトルのシューズが、今日の相棒です」とにっこり。彼のチーム9人、最年長はなんと109歳の石橋照嘉だ。彼らが走ったのは、リバーサイドに設置された“みんなのグリーンサークル”と呼ばれる、全て太陽光発電で運営される3kmコース。そのゴール地点では、ランナーの歩数と連動して再生可能エネルギーが蓄電され、地元保育園へと供給される仕組みも生まれた。
「走って、町に電気を回すなんて夢みたい」と語るのは、石橋。かつて町工場で働きづめだった彼は、リタイア後も孫と“運動ごっこ”を続けてきた。いつしか近所の仲間が集い、試しにマラソン大会にエントリーしたのが2年前。着たきり雀だった練習着から、今年はエシカルブランドのリサイクル・ユニフォームにアップデートされた。仕立てたのは地元の学生たち。修理も、地元高校生の“お直し隊”が喜んで引き受ける。「長く大切に着れば、ゴミも出ません」と隊長の熊谷久也(16)は語る。
年齢や経験にとらわれず、皆がチャレンジできる行事にしたい――運営委員長の木下花音(市民・48)はこう話す。「長寿社会に楽しく貢献できて、環境にも優しい取り組みを、と考え続けて。百年ランナーズの元気な姿は、サステナブルな未来の象徴です」マラソン大会で使われた給水カップは、完全生分解性素材。スタートからゴールまで、ごみ箱ゼロが合言葉となった。
SNSには、「わたしも90歳から参加します!」「おじいちゃんとグリーンサークルを一緒に走りたい」の声があふれた。フィニッシュの瞬間、大役を成し遂げた荒井が掲げた旗には“いつでも、何歳でも、新しい風を”と書かれていた。百歳の風の中で、大人も子どもも、ひとつの輪で繋がっていく――そんな未来の素敵な景色が、多摩川の川辺に広がっていた。



コメント
子どもと一緒に記事を読みました。百年ランナーズの皆さん、本当に素敵です!うちのおじいちゃんにも元気になってもらいたいなぁと思いました。家族で応援します!
いやはや、私も81歳ですが、まだまだひよっこだと感じました。皆さんの活力に拍手!自分も健康づくり、もう一度チャレンジしたくなりました。
リサイクルシューズや生分解性のカップ、めっちゃ良いですね!僕もエシカルな活動に憧れてたので、将来こういうイベントに関われたらなぁ。お年寄りのパワーもかっこいい!
近所でやっていたので応援に行きました。走るみなさんの笑顔と、拍手する子どもたちがとても温かい雰囲気でした。地域全体で輪が広がっていく感じが、本当に素晴らしいです。
思わず「すごっ!」って声が出ました。年齢ってただの数字なんだな、と。新しいことに挑戦する姿、勇気もらえます。僕も将来百年ランナーズに入ってみたいな(笑)