小さな町のeスポーツリーグ、奇跡の絆で咲いた笑顔と成長の物語

明るいコミュニティセンターで世代の異なる三人がパソコンの前で笑顔を見せている様子の写真。 eスポーツ
優勝を喜ぶ「星空ランナーズ」の三人が自然な笑顔を交わす瞬間。

若者からシニア世代まで町中が手を取り合うeスポーツリーグが、鳥取県の北部にある「わかしお町」で開催され、温かな絆と驚きの成長を見せている。eスポーツを通じて生まれた新たなつながりと感動の賞金エピソードが、全国から注目を集めている。

春のはじまりにわかしお町コミュニティセンターで幕を開けた「ふれあいeスポーツリーグ」。主催したのは町の図書館司書・ 西原るみ(34)を中心とする有志のボランティア団体だ。幼稚園児から高校生、農家の夫妻、職員を退職した70代までエントリーし、オンライン練習を積んできた。プラットフォームは町内IT企業の協力で構築。参加者同士が教え合い、時には敗者に寄り添って励ますなど、試合以上に人の優しさあふれる瞬間が積み重ねられてきた。

大会の目玉は、地元商店会や町議会から寄せられた賞金10万円と、町民たちが持ち寄った“ほっこり副賞”の詰め合わせ。優勝チーム「星空ランナーズ」は、高校生ゲーマーの真田シオン(16)と、農家の新垣政夫(68)、小学生の田口みなみ(11)が即席で結成した異色のトリオ。世代も得意分野も違う三人だったが、練習を重ねる中で「誰かを思いやるプレイ」を心がけ、自然に信頼と友情が育った。

決勝戦では、序盤リードされたものの、政夫の「ゆっくり焦らずいこうや」という一言をきっかけに、みなみが大胆な戦術を提案。その瞬間、チームチャットにも応援メッセージの嵐が舞い込んだ。オンライン視聴者は町民だけでなく、SNSで話題を見た県外のファンも多数。中には「負けても楽しそうな顔が最高」「画面越しに拍手しちゃった!」といった声が寄せられ、配信コメント欄は常時1000以上のリアクションで賑わった。

リーグ終了後、優勝チームの三人は賞金の半分を「町にeスポーツ部を」と寄付。副賞の特製クッキーや手作り小物は、出場した全員で山分けされた。真田シオンは「試合で勝ったのもうれしいけど、政夫さんやみなみちゃんと心から友達になれたことが何よりの宝物」と笑い、新垣政夫は「この年でゲームのランクが初級から一気に上がった。こんなにワクワクしたのは久しぶり」と感慨深げだった。田口みなみも「家でも学校でもない場所で、大人と一緒に協力できた。次は妹も誘いたい」と嬉しそうに語った。

エンタメの枠を超え、世代も職業も超えて成長と笑顔をシェアしたわかしお町のeスポーツリーグ。来年は地域を横断するオフライン大会として拡大開催が決まり、全国の町にも「うちでもやってみたい!」という声がSNSで拡がっている。小さな奇跡が連鎖し、新しい時代の幸せのカタチがここに生まれつつある。

コメント

  1. なんて素敵なお話でしょう。若い人たちと私たち高齢者が一緒になって楽しめる場所があるなんて、時代は変わったんだなあと感動しました。来年は見学だけでも行けたら嬉しいです。

  2. うちの子も今ゲームに夢中なので、こういう町みんなであったかく参加できる大会があるの、ほんとうにうらやましいです!勝ち負けより、思いやりや世代を超えたつながりが生まれるのが最高ですね。

  3. 地元の先輩や小さい子たちと一緒にがんばるeスポーツ大会、めっちゃ羨ましいです~!私も友達とチーム作って出てみたいから、うちの町でもやってくれないかな(笑)

  4. 副賞の手作り小物とか特製クッキーって、なんか町のあったかさを感じてジーンときました。こういうニュースを読むと日々の商売もがんばろうって元気が出ます。

  5. みんなが『負けても楽しい』『知らない人とも本当の友達になれた』って言ってるのが印象的でした。都会でも最近こういう心の交流ってなかなかないから、わかしお町のみなさんがちょっとうらやましいです。