小さな町の公園テニスコートで、不思議なボールが巻き起こした心温まる出来事が話題となっている。カラフルな五色のテニスボールが、競技者も観客も巻き込み、思いがけない優しさと笑顔の連鎖を生み出した。
杉山光一さん（68）は、毎週日曜日の朝、孫娘のさやかさん（9）とシングルスの練習をするのが楽しみだ。序盤はいつものように普通のイエローボールでストロークを打ち合っていたが、さやかさんのラケットのストリングに不思議な音が響いた瞬間、なんと虹色に輝く五色のテニスボールが現れた。色とりどりのボールが高くスピンしながら弧を描き、二人を驚かせた。
間もなく、近くで練習していた主婦（39）の吉田梨絵さんと、テニス肘を抱えて久しぶりにラケットを握った会社員（50）の阿部直樹さんもその様子に気がつき、「すごい！あんな明るいボールで試合をしたら楽しいですね」と声をかけた。それぞれが交代で虹色ボールを使ってスマッシュやサーブを打ち、いつしか小さな地域対抗の親善ラリーが始まった。カラフルなボールは、打ち出すたびに異なる色に輝き、「ラッキーカラーで点を取った人には全員で拍手する」特別ルールも即席で追加された。
コート脇には、たまたまウォーキング中だった審判経験のある古谷知之さん（72）が、「今日は私が審判を務めましょう」と申し出て、手作りのスコアボードを用意。子どもたちも「ボールが跳ねるときにメロディが流れてるみたい」と声をあげ、いつの間にかコート周辺には50人近くのギャラリーが輪を作っていた。若者から高齢者までみなが自然に集まり、お互いを応援し合う姿が印象的だった。
SNSには、「見ているだけで幸せになるイベント」「スポーツを超えて地域がつながった一日」というコメントが次々投稿され、町の広報担当者・蔵元佳織さんも「テニスコートがまるでお祭り広場のような温かい場所になった」と話す。スポーツ心理学者の島尾麻里子氏は、「カラフルなボールは緊張感を和らげ、競い合うのではなく支え合う雰囲気を生み出したのでは」と分析した。
イベント終了後、テニス肘が心配だった阿部さんも「久しぶりに無理なく動けて、皆さんに励まされました。また来週もラリーを続けたい」と目を輝かせる。ボール自体は翌日には消えてしまったが、地域に残ったのは見知らぬ人々が心を通わせた幸せな記憶。「また虹色のボールが現れてほしい」と誰もが願いながら、次回のラリーの約束をしてコートを後にしていった。
コメント
すごく素敵なお話ですね。子どもと一緒にこんな体験できたらきっと一生の思い出になると思います。五色のボール、うちの子も大好きそう。また家族でテニスやってみたくなりました！
昔は近所の広場でよくみんなで遊びましたが、今はこうやって大人も子どもも一緒になれる場が本当に貴重です。こういうニュースを見ると心が若返りますね。町のみんなが笑顔なんて、読んでいるだけで幸せです。
地域でこんなに盛り上がるイベント羨ましいです！五色のボールとか最高（笑）僕も参加してみたかったな。スポーツって、競うだけじゃなくてみんなで楽しむものだなって改めて思いました。
この日、僕も散歩中にコートの方から楽しそうな声が聞こえてて、何事かと思ってました。みんなで拍手したり笑い合って、見てるこっちまであったかい気持ちになりましたよ。またこんなイベントあったら顔出したいです。
にじいろのボールすっごくかわいいですね！わたしもひろばのテニスにまぜてほしいです。みんなでメロディきくの楽しそう。テニスはまだやったことないけど、やってみたくなりました！