80歳の再就職ブーム到来 孫世代とつながる“おばあちゃん雇用”が拡大

ひなたの差し込むテーブルで、高齢の女性と若い男性がノートパソコンを囲んで和やかに笑い合っている様子。 雇用
世代を超えて、テレワークでお仕事仲間になる新しい雇用のかたち。

高齢化が進む中、思いがけない雇用のかたちが全国で話題を集めている。定年後も働きたいと願う80代の人々と、孫世代の若者がテレワークで“お仕事仲間”となる、心温まる雇用契約の輪がじわじわ広がっているのだ。職務経歴書も自己紹介動画も、ほっこりとしたエピソードが溢れている。

地元の秋田県で開催された「おばあちゃんジョブフェア」は、参加者の半数以上が70歳以上という、ひと味違う雰囲気に包まれていた。展示ブースでは、83歳の主婦・笹山千代子さんが自身の得意技「昔ながらのおやつ作り」のライブ配信を披露。そこで出会った大学生の加藤洸太さん(21)が「リモート和菓子教室講師」を募集していると声をかけると、たちまち意気投合。後日、二人はオンライン雇用契約を締結し、週に一度、全国の若者に千代子さんが和菓子の作り方を優しく教える“孫リモバイト”が生まれた。

同フェアを主催した雇用コーディネーターの佐野末広(46)は「高齢者の知識や人生経験を、テレワークを通じて次の世代にしなやかにつなぐのが新しい働き方」と語る。参加した高齢者のなかには、90歳で初めて履歴書を作る人や、孫に撮影してもらった動画付き職務経歴書で応募した人も多かった。SNSでも「おばあちゃんの職務経歴書に癒される」「家の味が全国に伝わってうれしい」など、温かい反響が相次いだ。

東京都内では、テレワークでの「祖父母サポーター」雇用も広まっている。遠方の祖父母と孫がビデオ通話で宿題や人生相談をしながら、地域や世代の壁を超えて新たな“お仕事絆”を育んでいるのだ。地方都市の企業では、職務経歴書に“孫にスマホを教えた経歴”“昭和の知恵袋”が追加され、笑顔あふれる職場風景が生まれている。

「働き方が柔軟になった今、年齢も経験も垣根を越えて支え合える時代です」と厚生労働省担当の中島律子(52)は語る。職務経歴書に記された小さな優しさ、雇用契約書に添えられた手書きのメッセージ。そこから芽吹いた新しい雇用のかたちは、少子高齢化の社会にやさしい光を灯している。

コメント

  1. 子育て中の身としては、おばあちゃん世代と若い世代が一緒に働くって本当に素敵だなぁと思いました!うちの子も、もっとお年寄りから色んなことを学んでほしいです。和菓子作り教室、参加してみたいです♪

  2. わしも今年で77歳になるが、この記事を読んで元気が出ました。まだまだ何かできることがあると思うと、気持ちが若返る気がします。昔取った杵柄も、今の時代に役に立つんじゃな。

  3. リモートでおばあちゃんから和菓子教わるなんて、めっちゃ癒しですね…!世代を超えたバイト、うらやましい。私も次のフェアあったら参加したいなあ。ホントにあったらいいなって思っちゃいました!

  4. 近所にもおばあちゃんがたくさん住んでいて、よく知恵をおすそ分けしてもらってます。こうして世代を超えて支え合う社会になると、町ももっと明るくなりそうですね。私もできることから始めてみたくなりました。

  5. こんなあったかいニュース、HFNさんならではですね!世の中、まだまだ捨てたもんじゃない。おばあちゃんたちが輝ける社会になると、僕もなんだか誇らしい気持ちになります。