図書館が森を再生!本の「シェア」で生まれた心優しいエコ奇跡

新千里図書館の裏山で、本を手にした子どもや高齢者たちが、植樹された若い木々のそばで掲示板にカードを貼っている様子。 環境
本の貸し借りが人と森をつなげた新千里図書館の裏山には、世代を超えて集う地域の人々の笑顔が広がっていました。

「森と共に生きる」。そんな思いを胸に、市立新千里図書館が地域住民とともに始めたユニークな取り組みが、思わぬ形で注目を集めている。本の貸し借りやシェアをきっかけに、伐採地に再び豊かな森が広がり、自然と人が共に歩むエコシステムが誕生したのだ。SNSでは「こころが温かくなるニュース」「こういうことが世界に広がってほしい」と感動の声が寄せられている。

新千里図書館は昨年4月、持続可能な未来を考えた『シェアブック・エコ・プロジェクト』を開始。本を借りた人が返却時に好きな“森のしるし”カードをもらい、それを特設掲示板に貼ると、1枚につき1本、図書館裏に広がる旧伐採地へ苗木が植樹される仕組みだ。当初は「せいぜい100本程度の苗木だろう」と予想されていたが、わずか1年で3,000枚を超えるカードが貼られ、図書館の裏山は緑の息吹を取り戻し始めた。

このプロジェクトの立役者、図書館司書の早乙女由紀子(42)は、「子どもからご高齢の方まで、世代を超えた本の輪がそのまま森へと繋がっています。最初は小さな苗木でしたが、みんなの想いが重なり大きな森になりつつあるんです」と語る。新入生の児童からは「読んだ本の分だけ森が元気になってうれしい!」という声も届いているという。

さらに、プロジェクトには地元の企業も協力。シェアブック用のリサイクル用紙には、地域カフェのコーヒーかすや食品ロスとなった野菜繊維が使われている。また、早乙女氏とともに参加した主婦(39)、金井幸恵は「自分の借りた一冊が、環境問題を考えるきっかけになってくれれば」と語る。森で遊ぶ子どもたち、おしゃべりに花を咲かせる高齢者たち――地域の新たな憩いの場も生まれている。

環境アセスメントの専門家、大学講師の守屋光太郎(54)は「この図書館を核にしたシェアリングエコノミーの仕組みは、他都市にも応用できる素晴らしいモデルです。森林伐採や食品ロス、マイクロプラスチック問題など、複いだる環境課題に、住民一人ひとりの参加と物語を紡ぐ温かさが力となっている」と指摘する。

「本と森は、人の想いをつなぐ物語の入り口です」。本を手にした人たちのメッセージカードで芽吹いた新しい森は、今もすくすくと育ち続けている。まるで誰かがページをめくるたび、小さな優しさが世界に根を下ろしていくようだ。

コメント

  1. 小学2年の息子と毎週図書館に通っています。返した本の数だけ森が大きくなるなんて素敵!息子も『ぼくの読書が森を助けてる』と誇らしげです。こういう優しい取り組みが、もっといろんな場所で広がりますように。

  2. 最近はただの読書だけじゃなく、森作りにも関われるなんて夢みたいです。昔は裏山で遊んだものですが、また緑が戻ってくれるのは本当に嬉しい。図書館の方々、ありがとうございます。

  3. 本って自分だけの世界だと思ってたけど、みんなでシェアして森まで元気にできるなんてびっくりです!私も通学帰りに立ち寄って、もっと本を借りたくなりました。小さいことから地球を守れる実感があってワクワクします。

  4. ウチの店のコーヒーかすもエコな紙に役立ってるのを知って感激です。地域のみんなの協力で森が生まれていく…温かいニュースに、今日も元気をもらいました!

  5. この取り組みを見ていると、昔みんなで助け合っていた時代を思い出します。森でまた孫たちと遊べる日がくるなんて、ほっこり嬉しいです。図書館さん、これからも応援しています。