夕暮れ時、青森県の小さな町で不思議な現象が起きました。住民たちが窓を開けると、頬を撫でる柔らかな風とともに、色とりどりの折り紙で折られた小さな手紙が舞い込んできたのです。手紙には「地球にありがとう」「お天気を守ろう」「空をきれいに」のささやかなメッセージとともに、森や川、動物たちのイラストが添えられていました。
この現象の発端は、町の小学校に通う児童・塩見涼花さん（11）の提案でした。総合学習で地球温暖化の影響や酸性雨について学んだ涼花さんは「みんなで自然に感謝したら、空もきっと喜んでくれる」と考えました。そこで、学校の友だちや地域のお年寄りと一緒に『風の手紙』プロジェクトを企画。町内にある北風山のふもとに集まって、風に乗せて自然への感謝のメッセージを飛ばすことにしたのです。
当日、子どもたちだけでなく町中の商店主や農家、70歳を超えるお年寄りまでもが参加しました。みんなが心を込めて折った手紙は500枚以上。北風山の丘の上で「いつもありがとう、地球の風と空」と全員で呼びかけながら、一斉に空へと飛ばしました。町民たちは「きっと風が優しさを運んでくれる」と微笑みあい、手紙はふわりと春の風に舞いました。
その翌日、町の空の様子が少し変わりました。朝は澄み切った水色だったのが、昼にはほのかに緑がかった優しい色合いに。町の空気はいつもよりしっとりと心地よく、風もどこか柔らかく感じたそうです。地元気象観測所の職員・槙原洸平さん（42）は「科学的には短期的な現象かもしれませんが、酸性雨の成分も例年より低くなり、みんなの思いが風や雲をやさしくしたのかもしれません」と話します。
SNSでは「青森の空がやさしい色に」「手紙の話を聞いて涙が出た」「うちのベランダにも“風の手紙”がやってきた！」など、町外からも温かいコメントが溢れ、全国の小学校や町内会でも同様の取り組みをしたいという声が広がっています。
今、町では『風の手紙デー』を新しい恒例行事にする計画が進行中です。商工会の牧野泰司会長（56）は「ちいさな優しさが空にも環境にも広がって、人と地球の絆がぐっと深まった」と笑顔で語ります。丁寧に折られた手紙と子どもたちの願いが、空と大気を優しく包み込んだ——そんな奇跡のような1日となりました。
コメント
子育て中の親として、涼花さんたちの優しい取り組みに心が温まりました。うちの子にも「ありがとう」の気持ちを大切にしてほしいなと思います。こういう素敵な町の話、もっと広まってほしいです！
私は78歳ですが、昔もこんなふうに町のみんなが一緒になって何かやった思い出を懐かしく思い出しました。今の子どもたちも、心を込めて行動する姿にとても感心しています。若い力はすばらしいですな。
正直、うちの町でもやってみたいなあって思いました！地球のことを考えるきっかけにもなるし、仲間と一緒にやるともっと楽しい気がします。なんか前向きな気持ちになれました。
偶然ベランダに届いた手紙を読んで、朝からとても嬉しい気分になりました。町の子どもたちが考えてくれたこの取り組み、本当に素敵ですね。来年は私もぜひ参加したいです！
なんか最近のニュースは暗い話が多いけど、こういうハートフルな出来事が現実にあったら最高だなあ！子どもたちのやさしさが空や風に届いた、っていう話に元気をもらいました。うちの子にも教えます！