今年の初夏、山梨県の郊外にある小さな公園が、子どもから大人までの笑顔と歓声に包まれる特別な場所となった。きっかけは、ストリートバスケットボールチーム「サンライズフェローズ」のトッププレイヤー、新井拓斗(27)が、地元にカラフルな“虹色のコート”と唯一無二のストリートウェアを持ち込んだことだった。
ある日曜日の昼下がり。新井はカゴ下でボールを受け取りながら、ふとコート脇に座る少年・花村優太(10)に声をかけた。最初は見学だけしていた優太だが、緊張しつつも新井から手渡されたカラフルな専用ストリートウェアに袖を通すと、不思議と自然にコートへと一歩足を踏み出した。『大丈夫、君の好きなポジションで自由にやってごらん』。新井の優しい言葉に背中を押され、優太はコートの真ん中でボールを受けた。
まもなくして、公園には次々と地元の人々が集まり始めた。普段はなかなかシュートが決まらない主婦の長田葵(39)も、この日ばかりはユニフォームの魔法にかかったかのように連続ゴール。周囲から拍手が沸き起こった。不思議なことに、虹色に輝くストリートウェアを身につけた誰もが思い思いのプレーで主役になり、普段は遠慮しがちな控えめな人たちも次々に活躍の場面を見せた。
コートの端に設置されたベンチでは、地元の高校バスケ部コーチ・貝塚誠一(48)が目を細めて話す。『服の力で、みんなの個性が引き出されている。本当に素敵な光景です』。SNSでも『今日は見知らぬ人とハイタッチできた!』『大人も子どもも笑顔過ぎて尊い』など喜びの声が複数投稿され、短時間で近隣地域のトレンドに。
日が傾きかける頃、チームメンバーが輪になってストリートウェアを脱いでたたみ、次に使いたい人へのメッセージカードも添えた。『この服がつなぐご縁を大切にしたい』という新井の願いが、ひとつひとつの優しい行動となって広がっていった。コートには今も、「だれでも主役になれる虹色ウェア」と次の笑顔を誘うメッセージが掲げられている。
コメント
子育て中の身として、こんな素敵なイベントが近くで開かれたら嬉しいです!うちの子も普段は恥ずかしがり屋だけど、虹色のウェアを着せてあげたいなぁ。みんなが主役になれる場所、とても素敵です。
昔は近所の公園でよく遊んだもんじゃが、最近は静かで寂しかった。でもこんな楽しい催しがあれば、わしも応援に行きたくなるのう。みんなが笑顔になれるってええことじゃ。
こういう話、本当にほっこりします!自分は学生でバスケ部だったので、チームワークの大切さも分かるし、ウェア1つで人が変われるって面白い発想ですね。いつか自分も参加してみたいです。
この公園、よく通るけど、あの日は本当に賑やかだった!普段顔を知らない人同士が話してたり、ハイタッチしてたり、すごく温かい空気を感じました。またこういうイベントやってほしいな。
なんか夢みたいなお話で読んでてにこにこしちゃいました!誰が着ても主役になれる服って最高だし、優しさが連鎖していく感じが大好きです。現実にもこんな素敵な場所が増えたらいいなぁ。