“ありがとう”がディスカウント券に変わる?全国の商店街で心温まるキャンペーン拡大中

日本の商店街で店員がレジで笑顔で「ありがとうクーポン」を客に手渡している様子。 消費者行動
「ありがとう」が飛び交う商店街で、クーポンを手渡す温かなワンシーン。

全国約200の商店街で、思いやりを形にする新たな消費行動が静かなブームとなっている。買い物をした人が店員や他の利用者に「ありがとう」と伝えるたびに、“ありがとうクーポン”と呼ばれる割引券が発行されるユニークな仕組みに、SNSでも「心があったまる!」と話題が集まっている。

この取り組みは、名古屋市出身の起業家・須藤義文さん(38)が率いるD2C型の生活雑貨ブランド『木漏れ日』の発案からはじまった。須藤さんはコロナ禍で増えた宅配や店頭での“無言受け取り”に寂しさを感じ、昨年秋、初めてこのキャンペーンをスタート。購入客がレジで「ありがとう」と伝えると、店舗ごとにデザインされたかわいいクーポンカードがもらえ、次回以降の購入時に割引や小さなおまけとして使えるというものだ。

始動当初は10店舗ほどだったが、互いに感謝を伝え合うことで売り場の雰囲気が柔らかくなり、常連客やスタッフのあいだで自然な笑顔が生まれたことから、地元フードデリバリー企業や地域のブティック、ベーカリーなど多様な店舗にも急速に広がった。須藤さんは「クーポンを渡す時、受け取った人も店員さんも表情が明るくなる。広告や値引き以上に、言葉が持つ力を実感しています」と語る。

SNSでも「子どもの前で“ありがとう”を伝えるのが習慣になり、親子で買い物が楽しくなった」(主婦・35)、「知らない人にも“ありがとう”と言いやすい空気ができた」(大学生・21)、「ありがとうが繰り返されるだけで、私自身の購買意欲までアップした!」(会社員・41)といった声が。専門家の上田未悠准教授(消費者心理学)は、「感謝の言葉を軸にした消費行動は、顧客ロイヤリティの向上やリピーターの増加につながる。感謝の循環がその地域の購買体験を豊かにする好循環につながる」と指摘する。

さらに、クーポンカードは再生紙や地域産木材からできており、使い終わった後は地域の図書館や小学校に回収ボックスを通じて寄贈され、読み聞かせ用カードやポスターとして第二の活躍を遂げる仕掛けも。今回のキャンペーンをきっかけに、消費行動の中に小さな優しさが交わされる新しい文化が、全国の商店街に広がりはじめている。

コメント

  1. 子どもと一緒に買い物するたび「ありがとう」って言ってたけど、こんな素敵な仕組みがあったらもっと楽しくなりそう!優しい気持ちが広がるの、嬉しいです。

  2. 普段は恥ずかしくて店員さんに声かけること少なかったですが、これなら照れずに「ありがとう」って言えそうですね。お店に行く楽しみが増えました。

  3. なんか見ててほっこりしました。受験勉強中だけど、たまに商店街でお菓子買うとき、このキャンペーンやってたら絶対参加したいです。

  4. 昔はどのお店でも自然に挨拶してたものですが、こうして形にして続いていくって良いですね。世の中がちょっとやさしくなる気がします。

  5. こういうハッピーなニュースもっと増えてほしい!ありがとうって言われると、もらう側もすごく元気になるし。カードのリサイクルとかもエコで最高。