誰もが笑顔で働ける夢の机──社員の想いが生んだインクルーシブオフィス革命

さまざまな年齢や文化の社員たちが、それぞれ個性あふれるデスクで仕事をしている明るいオフィスの様子。 ダイバーシティ&インクルージョン
多様な価値観が集い、一人ひとりに合った“夢のデスク”が実現したイーディス社のオフィス。

「お互いの違いが力に変わる場所が、仕事場にあったら」──そんな思いから、架空企業イーディス社のオフィスで始まった小さなプロジェクトが、大きな注目を集めている。さまざまな文化、年齢、価値観が混在するなか、ひとり一人に寄り添う“夢のデスク”が形になったのだ。

きっかけは、エンジニアの有馬リサ(28)の、ある日社内にこだました提案だった。「車椅子でも、和歌が好きなおじいちゃんも、育児中の時短ママも、みんなが快適なオフィスって作れないかな?」。イーディス社では、国籍や年齢、バックグラウンドも異なるスタッフが50名ほど活躍しているが、これまでは画一的な机や椅子に不満も聞かれたという。

リサの呼びかけに最初に反応したのは、人事の藤嶋ミカ(45)。自ら視覚障がいを持つ彼女は、「自分に合った環境を堂々と求めていいんだ、と背中を押された」と語り、すぐに“夢のデスク委員会”が結成された。活動の中心となったのは、自分以外の立場に立って考えるために日替わりで各デスクを交換する『シャッフルデイ』。異文化の背景を持つメンバーが、自国の伝統工芸のクッションや机飾りを持ち寄り椅子に設置したことで、オフィスは一気にカラフルで多様な雰囲気に包まれた。

さらに専門家のアドバイスを受け、マイノリティの就労支援団体とも連携。イスカンダル・ファリダ(39)の手話講座や、70歳のシニア社員・小西瑞江による“懐かし茶話会”、子育て中のマーケター・佐山舞子(34)の“子供の写真一斉展示ウィーク”など、知識と想像力を交換する機会も増えた。今やイーディス社の“夢のデスク”ゾーンは、他社の視察も絶えないほどに注目されている。

SNSでは「派手じゃなくていい。思いやりって空気や色や音にも表れると知った」「家みたいなオフィスに涙」といった感動の声が相次ぐ。社内アンケートでは、全社員のストレス度が昨年度比40%減との結果も出た。イーディス社の取り組みは、企業のダイバーシティ&インクルージョンを実感に変える“ハッピーオフィス”のモデルケースとして、これからも静かに広がり続けていきそうだ。

コメント

  1. 子育て中で時短勤務の身として、こういうオフィス本当に憧れます!それぞれの違いを認め合えるって素敵なことですよね。うちの会社にも、少し取り入れてほしいなぁ。

  2. 和歌好きのおじいちゃんも歓迎されるオフィスなんて、昔は考えられませんでした。年寄りでも肩身が狭くならずに働ける場が増えると、まだまだ若い者には負けん気持ちになります。

  3. めっちゃいい取り組みだと思います!自分もバイト先でいろんな人と関わるけど、お互いを知るイベントとか増えたら、もっと明るく働けそう…参考にしたい。

  4. イーディス社の社員さんたちは本当に思いやりがあるんですね。うちの子たちにも、こんな職場が現実にあるよって伝えたいです。ニュース見て心があったかくなりました。

  5. こういう話がもっと増えてほしいなぁ。自分が現役の頃はみんな同じで当たり前だったけど、今は違うのが当たり前になりつつあるんですね。時代も、人も、優しくなってる気がします。