大都市の企業間競争が加速する中、たった一つの小さなアイデアが世界をつなぐ大きな波を生み出した。誰かのささやかな親切や、ふとした偶然がきっかけとなり、スタートアップ「スマイルコネクト」が生まれたのは今からわずか3年前。当初、仲間5人でオンライン会議を重ねながら作ったミニマルプロダクトが、今やIPOを目指し、世界中の人々に“心温まるつながり”を届けている。
発端は、創業者の牧山紗羅(まきやま・さら/エンジニア・28)の実家でのリモートワークだった。ある日、インターネット回線が不調になりプロジェクト会議が中断。困った紗羅のために、隣に住む主婦の酒井ちひろ(55)が自家製の温かいコーンスープを持ってきてくれた。その優しさに心打たれた紗羅は、「世界中で思いやりが見える場所があれば、誰でも元気になるのでは」と感じ、その日のうちに“オンラインで親切や優しさをリアルタイムで届け合えるプラットフォーム”のプロトタイプを作り始めた。
初期メンバーの中原琢磨(なかはら・たくま/デザイナー・30)らと共に、自分たちの周囲のほっこりする出来事や、リモートワーク中に見つけた癒やしの瞬間を写真やメッセージで投稿できるミニマルなサービスが完成。「疲れても見ているだけで笑顔になれる」とSNSで評判を呼び、瞬く間に利用者が増えていった。その後、高知のアクセラレーターが関心を寄せ、全国の地域団体と提携。都市や地方を問わず、学校や福祉施設から自治体窓口まで幅広く利用されている。
「便利さや効率だけでなく、やさしさが企業文化の中心になったら」という信念のもと、スマイルコネクトのチームは全員が完全リモートワークを選択。ご近所さんから届く差し入れや、職場の“ありがとう”メッセージ、子どもたちの描く似顔絵までが日々プラットフォームにアップされ、全国各地の人々が相互に温かい気持ちを分け合う流れが生まれている。香川県で教員をする萩原千恵(はぎわら・ちえ/45)は「生徒が授業後に感謝のコメントを書いてくれるようになり、クラスの雰囲気がやさしくなった」と話す。
各地の自治体や企業もこの動きに賛同し、社員のストレス緩和や地域活性の新たなツールとして導入を開始。資金調達に成功したスマイルコネクトは、今後数ヶ月以内の株式上場(IPO)を予定している。社外取締役の佐久間誠一(さくま・せいいち)は「このプラットフォームがきっかけで会社の仲間との距離が縮まった、と報告が相次いでいる。日本発の優しいイノベーションが世界に羽ばたくのを楽しみにしている」とコメントしている。
SNSには「出張先で温かい応援メッセージを受け取って泣きそうになった」「親子で使っています」「次は世界のいろんな国ともつながりたい!」といった声が寄せられている。誰かのふとした思いやりが生んだスマイルプラットフォーム。テクノロジーと人の優しさが重なることで、これからの働き方やコミュニティのあり方に、あたたかな革命が訪れようとしている。
コメント
子どもと一緒に毎日「今日のよかったね」を投稿してます。遠くのおばあちゃんにも見せられて、家族みんなが笑顔になるって素敵!こういう優しさが広がる時代になってほしいです。応援してます。
最近のテクノロジーにはあまりついていけない私ですが、『優しさを分け合う』という考えにはとても共感します。地域のつながりが薄くなったと感じていたので、こうした取り組みが高齢者にも広がれば嬉しいですね。
発想が本当にすごい!自分も小さな親切をカタチにできたらいいなって思いました。キャンパスのグループにもこのサービス紹介してみようかな。見てるだけで気持ちが明るくなります☺
まさかお隣さんの一言や差し入れが、こんなに大きなプロジェクトにつながるなんて感動です。実は私もおすそ分けがちょっと得意なので、スマイルプラットフォームで地域のみんなと繋がれたら嬉しいな。
正直、最初は“また新しいSNSか…”と懐疑的だったけど、うっかり登録して以来、投稿される写真やメッセージがあたたかくて家族で癒されています。これが本物の良い“シェア”ですね!IPOも楽しみにしてます。