山梨県の緑豊かな山あいにある高神村。人口たった220人のこの小さな村が、今、テニス界はもちろん全国にも大きな感動の波紋を広げています。村で開催された「全員参加型テニス大会」で、子どもからお年寄りまでがバトンを繋ぐスコア方式で挑戦し、見事全国大会で優勝。グランドスラム級の歓喜と、心温まるエピソードが生まれました。
大会は高神村スポーツマネジメント協議会主催で、「村民誰もが主役」の理念のもと実施されました。試合はシングルスでもダブルスでもなく、5歳児から最高齢90歳の村民まで全員が一打ずつ交互にボールを打つ独自ルール。一球ごとにスコアを村全体で共有し、1人ひとりの一打が村の総合得点となります。
村では、昨春よりテニス好きの医師・戸村茉莉花さん(34)を中心に、初心者も楽しめる回転(スピン)を意識したレッスンを続けてきました。戸村さんは「最初は誰もスマッシュなんて打てなかった。でも、間違えても皆で笑って前向きになれる雰囲気が、村を一つにしてくれました」と話します。練習では、おばあちゃんがラケットを傘に持ち替えて応援したり、犬の散歩中に助っ人で参加したりすることもあったといいます。
全国大会の決勝戦では、7歳の児童・藤堂陽菜さんがフォアハンドで逆転の一打を放つと、すぐ横で村一番の長寿、木崎幸一さん(90)が「やるね!」とガッツポーズ。場内が一気にほっこりムードに包まれました。最終的なチームスコアで山梨県が優勝を勝ち取り、日本テニス協会より「スポーツの理想像を体現したチーム」として特別表彰も授与されました。
SNSでは「スピンは技術だけでなく、心でかけるもの」「年の差を超えて一緒に楽しむ姿に感動」といった声が続出。ATPランキング発表翌日、ある有名選手が「僕も高神村に行ってみたい!」と投稿すると、村には国内外から温かいメッセージが届きました。
専門家の田辺紗英子氏(スポーツダイバーシティ研究所)は「スポーツの本来の楽しさは、勝敗や競技力だけでなく、人と人をつなぐ力にあることを、この村は教えてくれた」と述べています。住民たちは「練習は来週から、また公民館の庭でやるよ!」と笑い合い、次なるスマッシュ交流に胸を弾ませています。この村の物語は、テニスボールのように小さな奇跡を、これからも弾ませ続けていきそうです。
コメント
こんな素敵な大会があるなんて感動しました!うちの子にもスポーツは苦手な子がいて、みんなで楽しく参加できる村の雰囲気が羨ましいです。高神村のみなさん、おめでとうございます!
わしも若い頃はテニスを少しやっとったが、こんなに年寄りも子どもも一緒にできる大会は初めて聞いた。みんなで笑顔になるのが一番じゃなぁ。心があったかくなりました。
友達と記事読んで「めっちゃいいじゃん!」って盛り上がりました。競技や世代を超えて一つになれるって最高!地方のこういう活動、もっと広がってほしいです。
高神村のやることは本当に面白い!見習いたいわ。ラケットじゃなく傘持って応援とか笑ったけど、そういうユルさ、今の世の中大事だと思う。来年は見学に行きたい!
スポーツって勝ち負けだけじゃなくて、みんなで作る思い出が一番ですよね。読んでてほっこりしました!私も学校でみんなが楽しめるイベントやってみたくなりました。