ペットボトルから生まれた奇跡の花、廃棄物処理場に笑顔の輪ひろがる

産業廃棄物処理場で職員がペットボトルのかけらでできた透明な花を手に持っている様子。 廃棄物管理
リサイクルセンターで見つかった“奇跡の花“が職員の手の中で優しく輝く。

ごみ分別の現場に新たな希望が芽生えた――北海道のある産業廃棄物処理場にて、リサイクルに回されたペットボトルの中から美しく輝く“奇跡の花”が発見された。この小さな花が、地域の人々の心をやさしくつないでいる。

札幌市近郊にある北星リサイクルセンターで、ごみ分別担当職員の川村渚(34)は4月半ば、プラスチックの山の中にひときわ透明に輝くものが混じっていることに気づいた。「よく見ると、使い終わったペットボトルのかけらが自然に絡み合い、まるで一輪の花のような形になっていたんです」と川村さん。偶然が重なり、リサイクル工程の中でたまたま生まれた“花”だったが、その姿は周囲を見る人すべてを惹きつけた。

「忙しさやごみの匂いで大変な日々ですが、この花を見た瞬間、なぜか肩の力が抜けて、ほっとしました。みんな自然と笑顔になって、互いに優しい言葉をかけ合うようになったんですよ」と川村さんは微笑む。以来、このセンターではごみ分別や焼却炉の作業の合間に休憩所へ“花”を回し、みんなで眺めて声をかける習慣が生まれている。

SNSでもこの“ペットボトルの奇跡の花”は大きな話題となり、「環境と人の絆を感じる」「ごみの中にも宝物があるんだ」といった感動の声が相次いだ。地元の中学生、杉山柚葉さん(14)は「私もごみ分別をちゃんとやってみたくなりました。花を作れるかもしれないから」と投稿している。

環境工学の専門家、田所春彦教授(東京都立大学)は、「偶発的にでも、廃棄物の中から人の心をつなぐものが生まれることは大変意義深い。リサイクルは“仕分ける”ことに意識が行きがちだが、一つひとつの廃棄物に物語があり、それが地域の絆や自然とのつながりを生み出すこともある」とコメントした。

やがてこの“奇跡の花”はガラスケースへと収められ、地域の児童館に貸し出されることとなった。「ごみでも、ちゃんと分けてあげれば新しい命や思い出が生まれる。この花を通して、子どもたちも環境を大切にする心を育んでほしいです」と川村さん。

今日も、ペットボトルから生まれた小さな花が、忙しい大人や元気な子どもたちの間に、穏やかな笑顔と、分かち合う優しさを静かに咲かせている。

コメント

  1. 子どもと一緒にこの記事を読んで、とても心があたたまりました。ごみの分別が大切なのはわかっていたつもりですが、こうして命のような“花”が生まれるなんて素敵!私も家族でリサイクルをしっかり意識したいと思います。

  2. いや〜、こんな話があってもええですねえ。毎週ゴミ出ししてますが、まさかゴミが花になるなんて思いもしませんでした。なんだか自分も頑張ろうって元気もらえました。北星リサイクルセンターの皆さん、これからも応援してます。

  3. 素敵なニュースですね!プラスチック問題って深刻だと思ってたけど、こういうポジティブな面もあるんだなと新鮮な気持ちになりました。もっと色んな場所で“奇跡の花”みたいなエピソードが生まれたらいいなと思います。

  4. 昔は今ほどリサイクルが盛んではありませんでしたが、こうやってごみの中から希望が生まれる話を聞くと時代の変化を感じます。子供や孫にも伝えたい話ですね。人のつながりや優しさが続く社会になってほしいものです。

  5. 私もゴミ分別のとき、ペットボトルのキャップを外すのが面倒だなぁって思ってたけど、これを読んでからはちょっと宝探しみたいで楽しくなりそう。こういうお話、もっと知りたいです!