奇跡の“グラスアシスト”が生んだ町の絆 少年バスケットボール試合で笑顔の輪

体育館でクリスタルモビールが光を反射し、少年バスケットボール選手たちが見上げている様子。 バスケットボール
奇跡の“グラスアシスト”が生まれた瞬間、輝くモビールに視線を向ける子どもたち。

スポーツの試合が、地域の人々を思いがけない形でひとつにすることがあります。先週末、福島県須賀川市の市民体育館で行われた少年バスケットボール大会で、観客も選手も心温まる“奇跡のグラスアシスト”が生まれました。リバウンドから始まった小さなチャンスが、大きな感動となって体育館中に広がりました。

この物語の主人公は、須賀川南ジュニアバスケットボールクラブのキャプテン、小学6年生の甲斐遼太(12)。普段から積極的なオフェンスが持ち味ですが、この日は会場に特別な思い入れがありました。なぜなら、母親の由紀子さん(39)が応援席から見守っていたからです。

試合終盤、スコアは同点。残り時間は20秒。甲斐選手が放ったスリーポイントシュートは、はじき返されたボールが偶然にも天井から吊るされた大きなクリスタルモビールに当たり、キラキラと輝きながらコートへと落ちました。その光に惑わされた相手ディフェンダーをするりと抜け出して、チームメイトの小野寺陽向(11)がすかさずキャッチ。陽向選手は迷わずボールをパスし、甲斐選手が再びシュート。今度は綺麗な弧を描いて見事なスリーポイントが決まりました。

この“グラスアシスト”に、観客席は大歓声。SNSでは「奇跡のリバウンド!」「バスケの神様がいた!」と喜びの声が広がりました。試合後、甲斐遼太選手は「モビールに当たった瞬間、なぜかボールが自分を助けてくれる気がした。陽向くんがいてくれて本当に良かった」と笑顔でコメント。チームの監督である地元教員の荒井信一(44)も、「地域の方が作ってくださったモビールが、まさか試合を盛り上げてくれるとは。町全体でバスケットボールを楽しんでいる証ですね」と語りました。

実は、このクリスタルモビールは須賀川市内のガラス工芸サークルが子どもたちへ贈ったもの。会場スタッフの伊藤苑子さん(62)は「飾り付けをしたときは、光で応援になればいいなと思ったけど、まさか試合の流れまで変えるとは」と目を細めます。今では、モビールは“町の幸運のシンボル”として、試合の日だけでなく体育館に常設されることになりました。

町内では、「子どもたちの頑張りにふさわしい場所を作りたい」という声が広がり、寄付やボランティアも集まっています。「グラスアシストを目にした子どもたちが、勇気と優しさを忘れずに成長してくれたら嬉しい」と語るガラス工芸サークル代表の中田澄江(58)。

心を照らすキラキラのグラスアシストは、スポーツを超えた温かな絆となり、須賀川市の新しい伝説として語り継がれることでしょう。

コメント

  1. 息子と一緒にこの記事を読んで、思わず涙が出てしまいました。こんな奇跡の瞬間を親子で分かち合えて、本当に素敵ですね。うちの子にもバスケをやらせたくなりました。須賀川のみなさんが温かくて素敵です!

  2. いや〜、若い頃を思い出しましたよ。町全体で子どもたちを応援するこの雰囲気、昔の地域のつながりそのものですね。グラスアシストがこれからもみんなの思い出になることを祈っています。

  3. 読んでてめっちゃワクワクした!バスケ部だけど、こんなプレイ見たことないし、まじでアニメみたいですね。モビールを作った人たちも優しいし、自分の町でも何かやれたらいいなって思いました。

  4. 体育館の近くに住んでます。試合の日は子どもたちの声が聞こえてきて、いつも元気をもらってますが、こんな出来事があったとは!モビールがずっと残るの、嬉しいです。今度見に行きますね。

  5. サークルの一員として本当に誇らしいです!みなさんの笑顔に少しでも力になれたなら嬉しいし、これからも子どもたちのために色々作りたくなりました。記事読んで元気をもらいました、ありがとうございます!