大阪市の中心地に、車椅子でもベビーカーでも、どんな言葉や文化を持った人もあたたかく迎えてくれる公園「虹の集いひろば」が誕生し、SNSやメディアで大きな話題となっている。年齢や国籍、障害の有無、さまざまな個性が交差するこの場所では、予想もしない“やさしさ”が日常的に生まれている。
色鮮やかな遊具と草花が広がる「虹の集いひろば」は、ダイバーシティとサステナビリティをテーマした市民プロジェクトとして完成した。設計にあたったデザイナーの三宅そら(43)は、「バリアフリーはもちろん、言語や文化の壁がない“第3の家族”のような場所にしたかった」と語る。敷地の中央には世界16言語で描かれた「ようこそ」のアートウォール。点字やピクトグラム、多様な書体も取り入れられ、訪れる誰もが自分の居場所を感じられる設えとなっている。
オープン初日、大学生ボランティアの木村遥人(21)は、外国から来た留学生親子に公園案内を担当。言葉がすぐに通じなかったが、“笑顔で指をさす”だけで子どもたちと一緒に遊具を説明し、やがて互いの名前と好きな遊びを教え合うようになった。「ここでは『違い』は特別なことじゃなくて、始まりなんです」と木村さんは笑う。その様子を見ていたシニアグループの谷岡美加子さん(68)は「いろんな国の子ども同士が自然にルールを作って遊び始めた。一つのボールを分け合う姿に、私たち大人も大事なことを気づかされました」と目を細めた。
夕方、「手話カフェ」エリアでは聴覚障害を持つ高校生と地元の主婦(39)がベジタブルサンドを一緒に作り、隣ではダウン症の児童(8)と韓国人の小学生が「ジェンダー平等」をテーマに描かれた壁画の前で一緒に絵を描いていた。「私たちマイノリティが目立たず、自然体で楽しめる場所ができた」と話すのは自閉スペクトラム症のある鈴木理央さん(26)。「世代や文化、障害を超えて、いろんな人と出会って話すうちに、自分もこの町の“主人公”になれた気がします」
SNSでも「この公園、世界中に広まってほしい」(@cocoyama)、 「子どもたちの多様な笑顔が宝物」(@diversity_hikari)といった声が相次ぐ。専門家の藤本恵理子教授(教育社会学)は「こうした場があることで、小さな相互理解の体験が未来の社会を支える大きな土台となる」と話す。公園は“特別”な人のためではなく、“みんな”のための場所になった。目には見えない囲いを外したこの一角には、ほんの少し勇気を出して一歩を踏み出した人たちの、やさしい奇跡がそっと息づいている。
コメント
子どもがまだ小さく、ベビーカーで出かけることが多いので、こういう公園が大阪にできたのは本当に嬉しいです。誰でも過ごしやすい場所、これからもっと増えてほしいです!家族みんなで遊びに行きたいです。
昔は近所の公園で、見知らぬ人ともすぐ仲良くなってたなあと懐かしくなりました。今の時代にも「思いやり」が自然と広がる場所があるのは、本当にありがたいことです。年をとった自分も安心して行けそうですね。
多様性とかサステナビリティって学校で習ったけど、まさか公園でそれが体験できるとは!子どもたちが「違い」を楽しんでるの、素直にすごくいいなと思いました。
虹の集いひろば、家の近くです。オープンしてから、道行く人の表情がなんだか明るくなった気がします。誰にとっても居心地のいい場所が生まれて、街そのものがやさしくなったみたいでうれしいです♪
こういう公園が日本中にもっと増えたら、きっと世界もすこしずつ変わるんじゃないかなって希望が持てます。公園ひとつでこんなに人がつながるって素敵だな〜と心があったかくなりました。