森と川に囲まれた岩手県のキャンプ場で、全国のリモートワーカーたちと地域住民、音楽家たちによる心温まる野外コンサートとクリスマスマーケットが開かれた。画面越しの仕事仲間同士が初めて顔を合わせ、手作りの温かなイベントが多くの笑顔を生んだ。
今回、岩手県花巻市の十和田森のキャンプ場を舞台に開催されたのは「リモートワーカーズ・森のクリスマスフェスティバル」。発案者は、ITエンジニアの三島俊介さん(35)。普段オンラインで働く仲間たちが「画面の向こうでなく直接会ってみたい」と思い立ち、このイベントを企画した。三島さんは「寒い季節も、森は柔らかく包み込んでくれる。みんなが温かく集まれる場にしたかった」と話す。
フェスティバルは、地元住民やリモートワーカーたちの手で作り上げられたクリスマスマーケットからスタート。地域のおばあちゃんたちが焼くリンゴケーキ、子どもたち手作りのオーナメント、会社員(28)吉岡瑞穂さんによるリモートワーク向けおしゃれマグカップなど、出店の全てが「人のつながり」をテーマに準備された。会場には、オンライン会議でしか顔を知らなかった仲間同士が、照れながらハイタッチやハグを交わす微笑ましい光景があふれた。
夕暮れには、森に響く小さなオープニングセレモニーが始まった。地元小学生によるきらびやかなハンドベル演奏、リモートワーク仲間として知り合ったヴァイオリニスト・長谷川莉々さん(31)の渾身の演奏が続く。やがて森に設営された大きなスクリーンには全国のリモートワーカー達がオンラインで参加。画面越しの「おめでとう」「ありがとう」が響き、人と人の距離を超えた新しい一体感が生まれた。
さらにサプライズも。クリスマスの星空の下、地域在住のキャンドル作家・中林佑太さん(42)が制作した約1,000個の手作りキャンドルが点火されると、森全体が柔らかな光に包まれ、参加者の多くが思わず涙ぐんだ。SNS上には「画面越しの仕事も、実際に会うともっと温かい」「リモートワーカーと花巻の皆さんの優しさに感動」などの声が続出した。
専門家で地域づくりアドバイザーの福山聡子さんは「リモートワークで失われがちな『直接のつながり』を、オンラインの良さと地域の優しさで見事に融合させてくれたイベント。今後の地域交流の新たなモデルになる」と評価する。
コンサートとマーケットは、日付が変わるまで続いた。人々は森のクリスマスの奇跡を胸に刻み、来年も笑顔で再会することを誓い合った。
コメント
子どもたちも参加してハンドベル演奏なんて、とても素敵なイベントですね!うちの娘もきっと喜んで参加したがると思います。地域の温かさを感じられて、読んでいるだけで心がほっこりしました。
昔の縁日を思い出しました。みんなで集まって、手作りの品を持ち寄ったり、音楽を聴いたり。今の時代でもこうして人が集まり、思い出を作れるのはいいことですね。次は参加させてもらいたいなぁ。
リモートワークの人たちがリアルに集うって、時代を象徴する光景で面白い!森の中で音楽とキャンドル…インスタ映えも最高そうだし、来年は友だちと参加したいです!
普段の森がこんなににぎやかになったなんて、びっくりです!準備も大変だったと思いますが、皆さんが笑顔で一つになっている様子に、とても元気をもらいました。来年も応援しています♪
オンライン会議ばかりだと人と話すのが億劫になることもあるのですが、こういう温かい交流の場があると救われますね。ヴァイオリンの生演奏とか、うらやましい!次回開催があれば絶対参加したいです!