奇跡のウルトラマラソン:トレイルで結ばれた100人の絆と優しさのリレー

山道の途中で女性が高校生ランナーの靴ひもを結ぶのを手伝っている、自然豊かな景色の中で励ましフラッグが揺れている様子。 トレイルランニング
助け合いながらゴールを目指すランナーたちが、北海道の自然の中で新たな絆を結びました。

北海道の雄大な山岳地帯で開催されたトレイルウルトラマラソン大会が、今年も全国の注目を集めた。今回の大会は、参加者全員に温かな驚きと笑顔をもたらす“心の耐久レース”となった。人と自然、そして参加したランナー同士の新たな絆が生まれた感動の一日となった大会の全容を取材した。

全長70km、標高差2,000mを超えるコースを駆け抜けるこの大会には、プロの競技者はもちろん、初挑戦となる一般市民、70代のご夫婦や中学生のチームまでが集う。参加したランナーの一人、会社員の片桐優子(37)は、「困った時には知らない方から声をかけてもらえて、最後まで自分を信じて走り切れました」と充実の笑顔を見せる。 今年はコース上に、地元の子どもたちが手作りした『励ましフラッグ』が200本以上設置され、ランナーたちの背中を強く押した。

あるエイドステーションでは、地元農家の古川誠(48)の発案で、摘みたてのイチゴを使った自家製のジェルが振る舞われた。「長距離でも最後まで楽しんで走ってもらいたい」という思いから始まったこの取り組み。SNSでは「イチゴジェルで後半のきつさを乗り越えた」と感謝の声が続出。専門コーチの川崎颯斗(29)は「栄養だけでなく、地元の愛情もエネルギーになった」とコメントした。

とりわけ注目を集めたのが、コース途中で発生した“靴ひもほぐれ事件”。高校生ランナー佐山駿(17)は、目標としていた区間を全力で走っていたが、突然シューズの靴ひもが解けて転倒。後続の主婦ランナー山口弥生(42)は、即座に立ち止まり「大丈夫?」と声をかけ、一緒に靴ひもを直した。二人は励まし合いながら残り数キロを並走し、仲良くゴール。「見ず知らずでも、こうして助け合うのがトレイルの素敵なところですよね」と山口さんは語った。

フィニッシュ地点では、参加者100人全員がゴールした瞬間に、地元合唱団によるサプライズの“お疲れさまコンサート”が開催された。音楽に包まれて涙ぐむランナーも多く、会場の空気は一体感で満ちた。応援する家族や地域ボランティアが笑顔でハイタッチを交わし、長い旅路を走破した功績を祝福した。

大会の最後に、運営責任者の岡田舞(34)は「マラソンはタイムや順位を競うものだけど、ここでは“誰もが誰かの支えになる”ことが一番の誇りです」と語った。恒例となったトレイルウルトラマラソンは、今年も『人の優しさとつながり』を証明し、全国から多くの温かなコメントが寄せられている。走る喜びと支えあう心が、大自然の中でひとつになった一日となった。

コメント

  1. 子育て中の身として、子どもたちが手作りでランナーさんを応援している場面にとても感動しました!応援する気持ちが誰かの背中を押せるなんて素敵ですね。来年は息子と一緒に応援に行きたいです。

  2. 70代のご夫婦も参加されたと聞き、自分もまだまだ挑戦できると勇気をもらいました。人とのつながりや支え合いがある大会なら、年齢を気にせず楽しく参加できますね。元気をいただきました。

  3. 高校生ランナーと主婦の方が助け合いながらゴールしたエピソード、泣けました!最近部活でしんどいな~って思ってたけど、人ってこんなふうに優しくなれるんだなってほっこりしました。

  4. 会場近くに住んでいます!毎年みなさんが楽しそうに走っているのを見ると、自然と元気をもらえます。地元のイチゴが活躍して嬉しいですし、来年はボランティアで関わりたいと思いました。

  5. 順位じゃなくて“誰もが誰かの支えになる”っていう言葉、すごく心に響きました。普段の生活でも、こういう温かい助け合いをもっと広げたいですね。読んで幸せな気持ちになりました!