奇跡の森が生まれた日——絶滅危惧種と人々が一緒に育む“希望の樹海”

大きな木の枝にカラフルなリボンを結ぶ子どもと大人が、緑豊かな森の中で笑顔を見せている様子。 生物多様性
住民たちが願いごとを書いたリボンを“ユニティーツリー”に結びつける姿。

山形県の最北部に広がる大月山系。そのふもとに、かつて森林伐採と気候変動によって生物多様性が著しく失われたとされる地がありました。ところが今、ここで“奇跡の森”と呼ばれる再生プロジェクトが大きな話題を呼んでいます。周囲の町の住民や子どもたち、専門家、果ては渡り鳥や絶滅危惧種までが織りなす、心温まる自然と人の物語をお届けします。

この森が注目され始めたのは、林業家の高橋友也さん(44)がSNSに投稿した一枚の写真がきっかけでした。そこには見たこともない色鮮やかな花々や、絶滅危惧種であるホシノビワリスの親子、希少なブルーキャットバードなど、総勢50種を超える動植物が共存している様子が写っていました。高橋さんら地域住民は10年以上前から、小さな苗木から一本ずつ森を育て直す活動を続けてきました。森が育つにつれて野生動物や珍しい鳥が帰り始め、長らく目撃されていなかったオオヒカリウミガメまで産卵のために上陸。やがて、森は“自然の帰還”とも呼ばれるほどの姿を取り戻したのです。

プロジェクトでは、町の小学校の児童たちが毎月1回植樹活動に参加しています。保全活動を指導する生物学者の本郷瑞香さん(38)は「保全は特別なことじゃない。子どもたちが喜んで苗を植え、水やりをし、動物の足跡や巣を見つけて報告してくれる。その一つひとつが持続可能な開発への大事な一歩なんです」と話します。また、町内のカフェでは“森の恵みスイーツ”として、森で採れたハチミツや木の実を使った新作メニューが登場し、関わる大人たちも森のおかげで日々の幸せを実感しています。

SNSでは「森に帰ったリスの親子に会いに行きました。あんなに穏やかな気持ちになるとは…」「小学生の甥と一緒に木を植え、未来の地球について語りました」といった声が相次いでいます。リーダー役を務める主婦の鈴木瑠美子さん(52)は「森で拾った小枝や葉っぱで作ったアクセサリーを、子どもたちがお年寄りにプレゼントしたところ、涙を流して喜んでくれた」と、世代を超えた絆が生まれていることを語りました。

現在、大月山系のにぎやかな森には新たに希望の象徴として“ユニティーツリー”という巨木が根付いています。この木は、住民たちがそれぞれに願いごとを書いたリボンを1本ずつ枝に結びつけ成長してきました。専門家たちは「ここまで多様な生き物が集まり、人が一丸となって森を支える例は国内外でも非常に希少」と評価しています。いまや森は地域の自慢と癒しの存在となり、訪れる人々をやさしく迎え入れています。未来へ向けて育っていく“希望の樹海”は、気候変動や森林破壊に立ち向かう小さなきっかけとして、多くの人の心を温めています。

コメント

  1. うちの子も小学校で植樹体験に参加させてもらいました!森のことを家でもたくさん話してくれて、自然がもっと好きになったみたい。温かい取り組みに感謝です。

  2. わしが若い頃は木も動物も減ってばかりで寂しかったが、また賑やかになって本当に嬉しいぞ。孫と一緒に森歩きできる日が来るとは夢みたいじゃ。皆さんありがとう。

  3. まさか地元で絶滅危惧種のリスやカメが見られるとは!写真SNSで見たとき本当にびっくりした。僕もボランティア参加したいな。自然再生ってカッコいいですね。

  4. 森のはちみつや木の実で作るスイーツ、毎回大好評です♪森があるからこそ新しい美味しさや出会いが生まれるのだなぁとあらためて感じています。

  5. 読んでるだけで心がほっこりしました。願いを込めたユニティーツリー、私もぜひ見に行きたいです。こんな素敵な森がずっと守られていってほしいなと思います。