秋の訪れとともに、山梨県で開催された『風音祭』が、多くの住民と観光客を優しく包み込みました。色とりどりの紅葉に囲まれる山間の神社で、大小さまざまな風鈴が揺れる姿は、まるで時間がゆっくりと流れる別世界のよう。山車や神輿が練り歩く中、出店の甘い香りと御囃子の音色が交じり合い、訪れた人々の心を穏やかに癒やしました。
今年で13回目を迎える風音祭は、地域交流の象徴として毎年楽しみにされてきました。ことしは、山車の飾り付けを町内の小学生と高齢者が一緒に行ったことで、世代を超えた絆がより一層深まりました。祭典を主催した竹内穂乃花さん(実行委員長、42)は「みんなの笑顔と、風鈴のやさしい音が重なり合うことで、心がとても温かくなる」と語ります。
祭りの目玉は、約3000個の手作り風鈴アート。色ガラスや和紙を使った個性豊かな風鈴には、それぞれ願いごとやメッセージが添えられ、人々は一つずつ読んでは、小さく拍手や笑い声を交わしました。なかでも、小学生の中村颯真くん(10)の「おじいちゃんの腰がなおりますように」という短冊を見て、中村家の祖父・英一さん(72)は思わず涙。通りすがりの女性(主婦、31)は「知らない家族の願いなのに、なんだか自分ごとのように応援したくなる」とSNSに投稿し、多くの共感が寄せられました。
境内に並んだ出店では、地元の野菜を使ったお味噌汁や、山栗の焼き菓子、紅葉型の飴細工が大人気。店主の森本英里さん(店主、55)は「息子が風鈴の音を聞いて寝てしまったんです。こういう平和な日がずっと続いてほしい」と微笑みます。会場の中心では御囃子の生演奏が披露され、普段なかなか踊らないという大学生グループまでも輪の中に飛び入り参加。日常の忙しさを忘れ、地域全体が優しさと笑顔に包まれました。
今年は特別に祭りの終盤に“風鈴流し”の儀が行われました。参加者は願いを込めた小さな紙風鈴を小川に流し、「また来年もみんなで会おう」と手を振り合いました。「知らない人同士でも、風鈴の音で会話が生まれる。祭りってやっぱり不思議な力があるんですね」と語るのは高校教師の安藤佑介さん(38)。
街に響き渡る優しい音色と、人の温もり。来年もまた、この小さな奇跡が、山々の紅葉とともに鮮やかに繰り返されることを、誰もが心から願っています。
コメント
こんなお祭りが近くであったら、絶対子どもと一緒に行きたい!風鈴の音色に包まれて、みんなで願いごとを込めるのって素敵ですね。息子さんが風鈴の音で寝ちゃったエピソードに癒されました。来年はぜひ参加してみたいです♪
長いこと山梨に住んでいるが、風音祭の様子を読むだけで胸が温かくなったよ。世代を超えてみんなで準備するなんて、昔ながらの良い風習だね。小さな願いにも心を動かされた。またみんなで集まれる日が楽しみだ。
お祭りって普段なかなか縁がないけど、こういう記事を読むと行ってみたくなります!風鈴アートも映えそうだし、みんなで踊ったってところも楽しそう。友だち誘って、来年チャレンジしてみようかな☺️
正直、最初はお祭りとかあんまり興味なかったけど、この風音祭はちょっと違う感じがしていいですね。みんなが優しい気持ちになれる場所って大事だなと思いました!いつか自分も手作りの風鈴を作ってみたいです。
おいしそうな地元のご飯や紅葉の飴、ついつい食べてみたくなりました。見知らぬご家族の願いにもほっこりして、毎年こういう幸せな時間が広がるのは本当に素晴らしいことだと思います。これからも応援してます!