朝のハミングで職場につながりを 歌声条例が生んだ笑顔の連鎖

自然光が差し込むオフィスで、世代の異なる従業員たちが穏やかに微笑みながら一緒に鼻歌を歌っている様子。 労働
鳴倉町の職場で始業前に行われる朝のハミングタイムの温かなひととき。

働くことへの価値観が多様化する現代、長野県の山間にある小さな町・鳴倉町で、職場の朝を変える新しい試みが注目を集めている。町全体で“朝のハミングタイム”を推奨する条例が制定され、さまざまな職場でやさしい歌声と温かな交流が広がっている。

鳴倉町では、この春から「朝のハミング条例」が施行された。9時の始業前に10分間、社員やパート、アルバイトなど全ての働き手が自由に鼻歌や口ずさみを楽しめる時間を確保する内容だ。町内の工場や商店、介護施設や役場まで一斉に歌い始める風景は、訪れた人を驚かせる。条例のきっかけは、町の食品工場で長年勤務する南野茜(45)さんの「歌を歌う日は、なぜかみんなが優しくなる」というさりげない一言だった。

当初は「歌が苦手」と戸惑う声もあったが、始めてみると様々な世代の従業員が童謡や昔のヒット曲、時にはオリジナルのメロディーまで披露。意外にも、勤務歴の長い高橋浩一さん(62)が童謡『ふるさと』を口ずさむと、新入社員の若林未央さん(22)も自然にハミングを重ね、世代を超えた会話が生まれるようになった。

SNSでも「#鳴倉町の朝ハミング」が話題になり、「仕事前の緊張がやわらぐ」「帰宅後も気持ちが明るくなれた」と全国から感動の声が寄せられている。町内のカフェでアルバイトする永嶋颯斗さん(26)は「お客様が“今日はこの曲だったね”と声をかけてくれるようになった」と笑顔を見せる。専門家の深川修平教授(労働福祉学)は「単なる余興ではなく、心理的安全性や創造性の向上、ストレス低減など、多くの高い効果が期待できる」と分析する。

条例施行から3か月で集まった自主的なハミング動画は200本を突破。住民だけでなく、取引先や社外の人々も参加し始め、町を超えたつながりも芽生えているという。南野茜さんは「今では朝の歌がない日は、みんなそわそわしちゃうぐらいです」と目を細めた。音楽が自然に仕事や人の輪をゆるやかに結びつける、そんな新しい働き方の風が鳴倉町から全国に広がっていきそうだ。

コメント

  1. こんな素敵な取り組み、うちの会社や学校でもやってほしい!きっと朝が楽しくなって子どもも大人も笑顔になると思います。町全体で歌うなんて、考えただけでほっこりしました。

  2. 懐かしの『ふるさと』を職場でみんなでハミング…ええですねぇ。昔は隣近所でもよく歌声が聞こえてきたもんですが、今じゃ珍しい光景です。これからも町の温かさを大事にしてほしいです。

  3. おもしろい取り組みですね!朝からちょっと歌うだけで皆が話しやすくなるならアリかも。僕のバイト先でも、ぎこちなさが減りそう。SNSで流行るのも分かります!

  4. 鳴倉町に遊びに行きたくなっちゃいました。道ゆくみんながほんのり歌ってるとか、絶対やさしい空気に包まれてますよね。朝のパン焼きながら、明日から私もハミング始めてみようかな。

  5. 正直、条例でハミングって最初はどうなの?って思いましたが、実際にやってる様子を想像したらちょっと楽しそう。ストレス減るのってすごく大事。全国に広まったら面白い社会になりそうです!