空き家マンションが“みんなの家”に変身 多世代交流で町がひとつに

マンションの共有スペースで子どもから高齢者まで多世代が笑顔で集まり、食事や遊びを楽しんでいる様子。 家族とコミュニティ
温かな交流が広がる“みんなの家”の多世代集会のひととき。

東京都内の郊外にある大きなマンションで、ひとつの奇跡が起きています。長らく空き家となっていたこのマンションが、親子三世代や地域の学生、高齢者までが自然に集い過ごせる“みんなの家”へと生まれ変わり、多世代交流の輪が広がっているのです。

物語は、マンション管理組合の一員である会社員の根岸則夫さん(52)が、空室利用に頭を悩ませていたことから始まります。そんなとき、マンションの最年長住民である佐伯つや子さん(82)が「昔は家が足りず、何世代も一緒に台所を囲んだものよ」と話したことがひらめきのきっかけになりました。根岸さんは、空いている部屋を“多世代交流スペース”にしてはどうかと住民たちに提案。すると意外にも、子育て世代や単身生活の学生、高齢者から「やってみたい!」と賛同の声がたくさん集まったのです。

プロジェクトは瞬く間に動き出しました。元和室の一室が絵本と積み木が並ぶ『親子ひろば』に、別の部屋は高齢者と学生たちの料理教室や映画鑑賞会の場に変身。特に好評なのは“ふれあい縁日”で、親子で昔ながらの遊びを体験したり、自作のミニ屋台で駄菓子を分け合ったり。中でも小学生の和田陽太くん(9)が設計した「手作り輪投げ台」は、いつも子どもから大人まで行列ができる人気スポットになっています。

もっとも盛り上がるのは、毎月開催される『まんしょん祭り』です。世代を代表して、おばあちゃんたちがおにぎりを握り、大学生チームが屋上テラスでライブ演奏、小さな子どもたちは司会に挑戦。去年のクリスマス祭りでは、なんと80歳の佐伯さんがサンタクロースに扮し、初参加の赤ちゃんにプレゼントを手渡しては、皆の記憶に残る笑顔を広げていました。

SNSでも「#みんなの家まんしょん」が広がり中。「一人暮らしの自分もご飯の時間が楽しみになった」(専門学生・18歳)、「孫の話し相手が増えたばかりか、新しい料理も学べてうれしい」(主婦・60歳)、「見知らぬ人同士が、たった数か月で家族みたいに仲良くなれた」といった声が次々届いています。地域共生社会を体現する新たなコミュニティの形として、他の町からも視察が続く中、根岸さんは「この温かさが、どこまでも広がってほしい」と笑顔で語っています。

コメント

  1. 子育て中の母です。親子ひろばやお祭り、とても素敵な取り組みですね!同じ建物にいろんな世代がいるって、安心感があってうらやましいです。うちのマンションもこんなふうになったらいいのになぁ。

  2. こういう交流は、昔の長屋みたいで懐かしくなりますな。若い人や子どもたちと触れ合えるのはやっぱり元気の源じゃよ。ワシも近所の集まりに顔を出してみたくなったよ。

  3. 一人暮らしの大学生です。自分も新しい友達ができる環境ってすごく憧れます!みんなでご飯食べたり、祭りに参加したり、孤独になりがちな住まいのイメージが変わりました。自分の住んでるアパートにも何かできたらいいな。

  4. お隣の町に住んでいます。SNSでこのプロジェクトのことを知って、思わずコメントしちゃいました。地域のみんなで助け合っている感じが素敵すぎて…ちょっと涙が出ました。今度のまんしょん祭り、ぜひ遊びに行ってみたいです!

  5. 正直、こんな夢みたいな話あるの?って疑っちゃったけど、記事読んでワクワクしましたw お互い無理せず、自然に交流できる場所がもっと広がるといいですね。自分もちょっとだけ勇気出して地域のイベント行ってみようかな。