おじいちゃん先生と1日だけの「ゲーム学校」 孫世代と100歳まで学ぶ幸せな教室

地域の公民館で木製のテーブルを囲み、子どもから高齢者まで笑顔でボードゲームを楽しむ多世代の参加者たちの様子。 教育
世代を超えた参加者が一緒に学び、笑い合う“1日だけのゲーム学校”の光景です。

「もう一度学校に行きたい」とつぶやいた94歳の佐藤陽一さん。その声がきっかけとなり、彼の暮らす青森県の山あいに“1日だけのゲーム学校”が生まれました。世代の垣根を越えた心温まるプロジェクトが、地域全体を優しい気持ちに包み込みました。

地元の公民館に集まったのは、幼い小学生からご長寿の98歳まで、総勢40名の“生徒”たち。教壇に立つのは、かつて小学校教師として長年活躍した陽一さん。この“学校”の特徴は、すべての授業がボードゲームやクイズ、謎解きといったゲームフィケーションの形で進むユニークなカリキュラムです。算数ならビンゴ形式、歴史はすごろく、理科は“間違い探し”や“ものしり王決定戦”など、だれもが自然と夢中になって学べる仕組みが工夫されました。

孫の佐藤光希さん(15)がITサポート役を務め、最近流行のMOOC(大規模公開オンライン講座)の動画をみんなで観てクイズを出し合う時間も設けられました。遠く離れた家族や、車椅子の高山弘子さん(73)もタブレットで参加し、教室は笑顔と拍手に包まれました。「まさか曾孫と同じ教室で手を挙げて発表する日が来るとは」と弘子さんは感激の涙。オンライン授業の合間には、園児たちが“よろこびダンス”を披露し、参加者同士が肩をたたき合う温かい光景も広がりました。

授業の終わりには、誰もが“卒業証書”を受け取る特別な試験が用意されていました。その内容は、他の生徒への“ありがとうメッセージ”を書いて贈ること。普段は照れくさくて伝えられない思いが、カードに乗ってたくさん交わされました。「先生、またやってください」の声も多数寄せられ、隣村から参加した木村和樹さん(18)は「知識だけじゃなくて、誰かを思いやる気持ちを学べました」と話します。

SNS上では「うちの町にも“おじいちゃん学校”がほしい!」「試験が“ありがとう”って泣いた」と多くの反響が寄せられ、教育評論家の森久美子氏は「本来の学びの温かさが再発見される素晴らしい取り組み」と評価します。“1日だけの学校”は、これから毎月第3土曜日の定例会として開催されることが決まり、参加希望者が県内外から続々と名乗りを上げています。

コメント

  1. 子どもと一緒に記事を読んで、とてもあたたかい気持ちになりました。学ぶことって本来こういう楽しさや優しさがあるべきですよね。次は親子でも参加できたらうれしいなと思いました!

  2. いやあ、すごく素敵!私も昔先生だったんですが、孫や若い人たちとこんな風に学べたら最高だなあ。近くで開催があればぜひ仲間に入れてほしいです。

  3. なんか感動しました!自分もクイズやボードゲーム大好きだし、世代を超えて一緒に学べるって面白そう。勉強って点数だけじゃないって改めて思いました。

  4. ほんとにこんな優しい学校が現実にもあったら、うちの町も明るくなるのになぁ。ありがとうを言う試験なんて、わしらの頃には考えられん!毎月やるって素晴らしい。

  5. ITサポートをお孫さんがやるところが今っぽくていい!オンラインで離れた家族もつながれるし、心の距離も近づきそう。家族みんなで参加できるイベントとして続いてほしいな。