社長も新人も“お菓子係”!? 光坂製菓、みんなで回す“ほめほめ当番制”が話題に

和やかな社内の休憩室で、若い女性社員が手作りのお菓子と手書きのカードを同僚に手渡している様子。 リーダーシップ
「ほめほめ当番制」で手作りのお菓子と感謝のカードが社員に配られる温かな一場面。

工場の窓から甘くやさしい香りが漂う光坂製菓株式会社。だが今、この小さな菓子メーカーが全国から注目を浴びているのは、その独特なリーダーシップ制度「ほめほめ当番制」だ。お菓子を通して心を伝え合う、新しいフィードバック文化の輪が広がっている。

光坂製菓は創業70年、長野県の山あいにある地域密着型企業だ。昨年春から始まった『ほめほめ当番制』は、毎週担当が社内全員に向けて手書きの“ありがとうカード”と手作りのお菓子を配る、というシンプルな仕組み。その主役は、社長の朽木周作(58)から新入社員の渡会百合(22)まで、役職や年齢を問わず全員が順繰りに回る。

きっかけは、コロナ禍で沈みがちだった雰囲気を変えようと、工場長の三宅澄夫(44)が『みんな、一度だけ誰かの“良いところ”を褒めて、形にしてみよう』と提案したことから。最初は照れくささもあったが、『人の良さは小さな責任感や日々の気くばりに現れるんです。お菓子を渡しながら直接伝えると、不思議と仕事も楽しくなる』(朽木社長)と、全社に笑顔が増え始めた。

週ごとにメニューもメッセージ内容も変わるのがこの制度の醍醐味。人気のパウンドケーキには『いつも率先して掃除をしてくれてありがとう』と添えられ、なかには“適応力抜群どら焼き”や“共感クッキー”など、ユニークなお菓子が登場する。「苦手だった同僚とも『今日は誰が当番かな?』って自然と会話できるようになりました」(入社2年目の西崎収太)という声が広がっている。

X(旧Twitter)などSNSでも話題を呼び、『互いの責任やいいところを笑顔で伝え合う会社って素敵!』『“共感スイーツ”がうちにもほしい』など投稿が続出。人事コンサルタントの小野桂子氏は『フィードバックの文化が“感謝と適応力”を醸成し、単なる業務指示を超えた共生リーダーシップに育っている』と評価する。今日も社内にはあたたかい香りと、やさしい一言があふれている。

コメント

  1. 子育て中の私としては、こうやって褒め合う文化って本当に大事だな〜って感じます!お菓子と一緒に思いを伝えられるって素敵ですね。子どものおやつタイムにも“ありがとうカード”を取り入れてみたいです。

  2. 昔は近所でもよく手作りのお菓子を配ってましたが、今の会社でこんな温かい仕組みがあるなんて嬉しくなりますね。会社の仲間同士で感謝し合える社会、もっと広がっていくといいなぁ〜

  3. うわー、こんな会社だったらインターンしたい!褒めてもらえるってやる気でそうだし、自分も他人のいいところ探す癖つきそうで良いと思います。うちのサークルでも真似してみよっかな

  4. 光坂製菓さん、散歩で前を通るたびほわ~んといい匂いしてました。まさか中ではこんな素敵な制度まであったとは!あったかい香りの理由は、皆さんの気持ちも一緒だったんですね。

  5. 「褒める」とか「感謝」って、シンプルだけどなかなか職場じゃ口に出せないものですよね…この仕組み考えた人、めっちゃセンスあります!家でも子どもたちと“ほめほめおやつタイム”やってみたくなりました。