秋の風が心地よくなった頃、都内・浅草にある人気の梟カフェ『ふわふわフクロウ庵』が、思いがけない取り組みで街の話題をさらっている。来店した誰もが、店舗運営にとって大切な”お客様”として、特別な賞を受け取るのだ。その名も『ふくろう感謝祭』。いつもとはちょっと違うこの企画の裏側には、カスタマーサクセスへの意外なアイデアとスタッフたちの優しい想いがあった。
このイベントを発案したのは、カスタマーサクセスマネージャーの烏丸杏子さん(32)。彼女は普段から、来店者が残すメッセージノートやアンケート、SNSでの感想から、カフェの”ヘルススコア”と顧客満足度を可視化。そのVOC(Voice of Customer)分析をもとにスタッフ同士で『もっと温かいお店に』という目標を共有してきた。しかしある日、『フクロウと寝落ちしたい!』という子どもの声をきっかけに、「もっと夢や願いを叶える場になりたい」と心に決めたという。
そこから生まれたのが、お客様自身で書くフィードバックカード。カフェでは、来店時に『今日のお気に入り梟』や『夢の過ごし方』を記し、小さな木の箱に投函する仕組みを始めた。『梟のそばで読書したい』『推しフクロウの毛並みをモフモフしたい』――集まったリクエストに、サクセスマネージャーの烏丸さんとスタッフは一つひとつ目を通し、応えられるものを考えてきた。
イベント当日は、リクエストが叶った来店者だけでなく、その日来てくれた全員が『主役』に選ばれるサプライズを用意。エントランスには『ふくろう感謝状』がずらりと並べられ、希望のコメントやニーズ分析をもとにデザインされた”オリジナル羽根バッジ”を手づくりで贈呈した。年配のご夫婦がもらった『おしゃべりフクロウバッジ』は、店内の梟たちが1日中穏やかに鳴いている録音を再生できる小さな装置付き。小学生たちは、特別に梟の寝姿をそっと観察できる寝袋席に招待された。
この取り組みは瞬く間にSNS上で話題を呼び、「あったかくて泣きそう」「こんな風に声が届いた経験は初めて」と感動の声が相次いだ。カスタマーサクセスに詳しい研究者の名取亮太教授も、『フィードバックの力と、ユーモアや優しさの結合が、店舗もお客も幸せにした好例』と絶賛。現在、カフェ常連客によるユーザーコミュニティでも、月1回の『夢カード交流会』が自主的に開催されているそうだ。烏丸さんは「これからも、お客様と一緒に楽しい”ふくろうの巣”を育てていきたい」と微笑む。訪れた誰もが主役になれるカフェ――あたたかな輪が静かに広がっている。
コメント
小学生の娘がフクロウ大好きなので絶対連れて行きたいです!寝袋席なんて子どもたちの夢そのものですね。スタッフさん達のやさしさが伝わってきて、こういう場所が増えたらいいなぁと思いました。
お店の真心がなんとも温かいニュースですねぇ。夫婦で参加したいです。おしゃべりフクロウバッジ、気になる…♪カフェというより、街の憩いの場みたいで良いなぁ。
めっちゃ良い!自分の意見や夢がそのままお店の形になるってすごいこと。フィードバックカードとか、社会人になっても役立ちそうな経験ですよね。今度友だち誘って行ってみます!
ふくろう庵さん、いつも良い取り組みされてて嬉しいです。ご近所として誇らしい気持ちになります。子どもからお年寄りまで楽しめるって素敵ですね。私も昼休みにバッジ見せてもらいに伺いたいです!
こういうイベント、めっちゃあったかい!SNSで話題になるのも納得。僕も寝袋席で推しフクロウの寝顔見てみたい…。学校帰りに友達と寄ってみようかな。スタッフさんたち、ほんとありがとう。