多様な立場の子どもたちが、気兼ねなく過ごせる特別な空間が話題を呼んでいる。福岡県の社会保険組合「つむぎネット」が、市内中心部に“ぬくもりカフェ”をオープン。家族の世話を担うヤングケアラーたちが学校帰りにふらりと立ち寄れる「第3の居場所」として、来店者の笑顔が広がっている。
高校2年生の深谷翠さん(17)は、母親が重度障害を抱えるため中学生の頃から家事や介助を一手に引き受けていた。近所に相談できる大人もなく、孤独や不安と向き合う毎日だったという。カフェの存在を知った翠さんは最初、戸惑いながらも足を運んだ。注文したハーブティーを片手にスタッフと雑談を重ねるうち、心の重荷が少しずつ和らいでいった。「ここで出会った友達と、一緒にゲームや勉強、時には悩みも話せるようになりました。帰り道がまるで明るく感じるようになったんです」とほほえむ。
このカフェの画期的な点は、“社会保険コネクトカード”があれば、年齢や立場に関わらずドリンクや軽食が無料で提供されること。カードは地元の学校や、福祉窓口を通じて配布されている。さらに毎週木曜日には「秘密のサロン」が開かれ、ケアラーの子どもたち専用のワークショップやおしゃべり会も実施。専門スタッフに加え、ケアラー経験者の大学生や福祉職員が交代でボランティアとして参加し、温かなつながりの輪ができている。
店内は木の温もりあふれるインテリアで統一され、利用者が編み物や読書を楽しんだり、音楽を流してリラックスしたりできる。“ひとりじゃない”を感じられるよう、店の黒板には「今日のGOOD NEWS!」と題されたメッセージが訪れるたびに書き足され、利用者同士が小さな喜びを共有している。深谷さんのようなヤングケアラーにとって、それは「あしたも頑張ってみよう」と思えるエールだ。
SNSでは、『うちの娘も“ぬくもりカフェ”に救われました』『ひとりぼっちじゃないと思えた』などの投稿が拡散。プロジェクト担当者の永嶋光一氏(社会福祉士)は、「“居場所さがし”が苦しい子に、そっと手を差し伸べる場所であり続けたい。将来は全国にこのモデルを広げたい」と語る。街角のあたたかな空間で交わされるささやかな出会いが、明日への希望となって広がってゆく。



コメント
子育て中の母です。家族の介護や世話をしている子どもたちの話はよく耳にしますが、こんな場所ができたことに感動しました。子どもたちが少しでも自分の時間や安心できる空間を持てるのは本当に大切ですね。全国にも広がってほしいです。
高校生です!自分の友達にもケアラーの子がいて、話し相手になるくらいしかできませんでした。でも、こういうカフェがあれば、きっともっと気が楽になると思います。いつか自分も行ってみたいです。
ご近所に住んでいる者です。たまにお店の前を通ると、温かい雰囲気で、笑い声も聞こえてきます。こうした場所が地域に生まれて、とても誇らしいです。できることなら自分も何かお手伝いしたくなりますね。
私もかつて家で介護をしていたので、ヤングケアラーの皆さんの気持ちが少しは分かります。ひとりじゃないと思える場所があるって、どんなに心強いことでしょう。スタッフさん達にも感謝したいです。
ほんわかしたニュースで朝から元気出ました!SNSで話題になってるのも納得。ひとりでも多くのみんなが、こういう優しさに触れられますように。