歌う魚と森の台所——小さな里山に集う、奇跡のエコプロジェクト

里山の清流で高校生と農家の男性が竹と落ち葉を使ったろ過装置を設置している様子の写真。 環境保全
清流を守るため高校生と地元の農家が協力して自然ろ過装置を設置する場面。

青森県南部の小さな集落・日向野(ひなたの)にある里山が、いま全国から注目を集めています。地元の高校生たちが仕掛けた「森の台所プロジェクト」が、地域の清流を守り、捨てられそうになった食材に新しい命を吹き込み、さらには川に生息するオオシンジュウナマズまでが参加するという“奇跡の共演”を実現しました。

きっかけは、日向野高等学校の自然科学部部長・榊原美鈴(17)がふと耳にした、不思議な歌声のような川のせせらぎ。「もしや魚たちも、この川をきれいにして歌いたがっているのでは」と感じた美鈴さんは、部員たちとともに水質調査を始めました。驚いたことに、周囲の畑から流れ込む農薬や家庭ごみの影響で川底は少しずつ汚れ始めていたのです。

そこで彼女たちは、地元の農家である西塔文彦さん(62)の協力を得て、里山に自生する竹や落ち葉を使った自然ろ過装置を川沿いに設置。さらに、学校の調理実習で残った野菜くずを使い、家庭向けの『森の台所レシピ』も開発しました。食材の端を一切無駄にせず調理するアイディアを地域に広め、食ロス対策にも一役買っています。

プロジェクトのもうひとつの柱は、プラごみ削減です。ある日、小学生の後藤柚子(11)が“川の魚たちがマイクみたいにプラストローをくわえて歌っている夢”を見たことがSNSで話題に。これを受けて、日向野地区では全家庭が一斉にマイバッグ・マイボトルを導入。町内会では『プラなし運動会』も開催され、子どもも大人も楽しみながらごみを減らしています。

活動の成果として、川ではオオシンジュウナマズをはじめとする珍しい魚の数が目に見えて増え、夜になると水中から本当に“うたごえ”が聞こえてくるという住民の声も続出。「川の魚たちと一緒に楽しく生きる。それが本当の里山の豊かさ」と話す榊原さんの笑顔に、住民たちも全国からの見学者も、すっかり心を奪われています。里山を守る輪は今、町外や近隣の学校・カフェ・福祉施設の共同プロジェクトへと広がり続けています。

コメント

  1. 子育て中なので、こういう取り組みが本当にありがたいです。うちの子もいつか自然とふれあいながら、森や川と仲良しになってほしいなぁ。森の台所レシピ、家でも挑戦してみます!

  2. 最近は昔に比べて川の生き物が減ったなぁ、と寂しく思っていましたが、こういう話を読むと嬉しくて心が温かくなりました。自分もできることから始めてみたくなりますね。

  3. 同世代の子がこんな風に町を変えていくなんて本当にすごい!私の学校でも何か始めてみたいと思いました。歌う魚、見てみたい〜!

  4. 日向野がこんなに活気づいていてうれしいです!うちの町も負けていられませんね。みんなで協力して環境を守る雰囲気、これからも広がってほしいです。

  5. なんかプラストローをくわえて歌う魚の夢、かわいすぎ…!こういうユーモアがある取り組み、素敵です。自分もエコな生活、できることから頑張ります!