おみくじクッキーから始まる幸せ革命――老舗菓子工房“福玉堂”の経営イノベーション

和菓子工房で多様なスタッフたちがテーブルを囲み、おみくじクッキーを手に微笑んでいる様子。 経営者の視点
福玉堂の朝ミーティングでは、皆でおみくじクッキーを引き合い笑顔があふれる。

小さな焼き菓子に込められた願いが、大企業の経営にも新しい風を吹き込んでいる。和歌山県紀の川市の老舗菓子工房“福玉堂”が開発した「みんなで引くおみくじクッキー」は、働き方改革と人的資本経営の起爆剤として全国で注目されつつある。

福玉堂の三代目経営者、早川蒼一(47)は、パート社員たちの「もっと仕事を楽しみたい」という声に背中を押され、全員で毎朝1枚ずつ、おみくじ入りのクッキーを引く“福引きミーティング”を始めた。おみくじには「今日は誰かにありがとうを3回言う」「新しいアイデアを誰かとシェアする」「違うチームの人ともお茶しよう」など、日々のエンゲージメントやダイバーシティを後押しする優しいミッションが書かれている。

この取り組みが社内に「笑顔」と「会話」を増やし、とくに異なる年齢や国籍のスタッフ同士の垣根をぐっと低くした。外国人スタッフのチャン・リェンさん(28)は「慣れない日本語でも、『クッキーの約束』は一緒にできる。みんなと仲良くなれるきっかけになった」と目を細める。社員の中には、ミッションをクリアしたご褒美に自作の短歌や似顔絵を交換し合う習慣も生まれ、オープンイノベーションが思いがけず芽生え始めているという。

こうした好循環を見た地元の繊維業大手や水産加工企業から「うちでもクッキー福引システムを導入したい」と相談が相次いだ。福玉堂はおみくじクッキーの企画から運用ガイドまでパッケージ化し、地域の中小企業や障害者支援施設にも提供を始めた。「みんな違って、みんな素敵」「福がめぐる職場になった」とSNSで感動の声が拡散。菓子職人歴40年のベテラン・猪瀬政子さん(62)は「事務所で作業してても、朝のミーティングが楽しみで仕方ない。自分も会社も、ずっと元気でいられる気がする」と語る。

企業経営の専門家、城之内慶(ビジネス評論家)は「小さなアイデアや心づかいが、人的資本やガバナンスに与える影響は計り知れない」と指摘する。来月には福玉堂が全国の小学校と連携した“キッズ福クッキー”プロジェクトも始動予定。やさしいおみくじクッキーが結ぶ新しい働き方と、誰もが笑顔で幸せを分かち合える時代――その小さな革命は、今も静かに続いている。

コメント

  1. 子育て中なので、こういうほっこりするお菓子と一緒にやる習慣は本当に素敵だなって思いました!うちの子のクラスでも、朝に『ありがとうチャレンジ』とかやってほしいです。みんなが自然に笑顔になれそう。

  2. 自分は長年のサラリーマン生活を引退して、今はもっと人と話す機会が欲しい毎日です。こういう取り組みがあると、職場の雰囲気が本当に変わるんでしょうね。昔よりずっと良い時代になったなぁと感じます。

  3. めっちゃ面白そう!バイト先にも福玉堂のクッキー取り入れてほしいですw ちょっとしたことで会話増えるだけで、その日一日テンション違いますもんね。キッズプロジェクトもいいなぁ。

  4. 福玉堂さん、いつもお世話になってます。朝にお店の前からほのぼのした声が聞こえてきて、街全体が明るくなった気がします。小さな幸せが広がっていくのは本当に嬉しいことですね。

  5. 朝はバタバタでなかなか余裕がないけど、こんな風に小さな工夫で人が元気になれるのは素晴らしい。『みんな違って、みんな素敵』って本当にその通り…。自分も娘と一緒にクッキーでおみくじやってみたくなりました!