図書館の隅に生まれた “ちいさなmRNA保育園”――みんなで育てる未来薬の奇跡

図書館の一角で子どもや高齢者がパソコンや発酵タンクを囲む様子の実写風写真。 バイオ医薬品
地域の人々が一緒に未来を育てる“mRNA保育園”の温かな現場です。

大きな本棚の間に、静かに並ぶパソコンや試験管。古くから地域の中心として親しまれてきた大江町図書館で、思いがけない“しあわせの連鎖”が始まった。「mRNAワクチン」や「バイオシミラー」など難しそうな単語が飛び交うこの場所に、今では老若男女が集い、町ぐるみで未来をつくる小さな奇跡の物語が生まれている。

図書館員の竹野和也さん(33)は数年前、合成生物学への市民向けワークショップを図書館でひらいた。きっかけは「難しい科学を、日常に近づけたい」という思い。その会で、医師で子育て中の新田文世さん(41)が、「新しい医薬品開発を地域みんなの手で進められたら」と相談してきたことが、今の“mRNA保育園”発足の種となったという。

町の人たちは、図書館の一角に“ナノ温室”と名付けたスペースを作り、小さな発酵タンクでバイオ医薬品の原材料となる微生物を育てはじめた。子どもたちは細胞たちに『ヒカリちゃん』や『タンパクさん』と名付けて見守り、シニア世代は豊富な野菜作りの経験を生かして培養温度の世話係になるなど、役割分担もしっかり。温室内では、新田さんが提案した方法でmRNAの一本一本が巨大な本の物語のように“みんなで書かれ”ていく。

ある日、地域に住む小学生5人が、「おくすり細胞の誕生日会」を企画し、SNSで投稿。町の飲食店やパン屋も協力し、自家製マフィンを“お祝いバイオスイーツ”として寄付した。瞬く間に話題となり、隣町からも親子連れが見学に訪れるほどに。『町のみんなで大切に育ててるから、一つひとつの細胞が宝物みたい』と児童(9)が笑顔で語った。

医師会や自治会も応援に加わり、図書館の“ちいさなmRNA保育園”は、地域の交流拠点となっている。今年は、裕福ではない家庭の子どもたち向けに「未来薬おすそわけデー」と題し、開発したバイオシミラーの無料配布会も予定。『温かい町の力が、世界の命を救うきっかけになるかもしれない』と新田さん。SNSには『大江町が誇らしい』『自分の町にも“おくすり保育園”を!』と、幸せのバトンが広がっている。

コメント

  1. うちの子も科学に興味を持ち始めたので、記事を読んでとてもワクワクしました!図書館で町みんなが協力して新しいお薬を作るなんて、本当に素敵ですね。今度子どもと一緒に見学に行きたいです。

  2. 昔は図書館といえば静かに本を読む場所でしたが、今ではこんな温かい交流が生まれているんですねえ。孫と一緒に細胞の“お世話”をしてみたくなりました。年寄りでも役に立てる場所があって、なんだか嬉しいです。

  3. 正直、科学とか難しそうって思ってたけど、こういう形なら参加してみたいなって思った。『おくすり細胞の誕生日会』とか、発想がめっちゃかわいいし、みんなで未来を作るってすごくいい。

  4. 町のみんなの笑顔を見ると、マフィンを作ってよかったな~と感じます。おくすり保育園、これからも応援しています!また新しいスイーツ、考えてお持ちしますね。

  5. とってもほっこりしました。裕福ではない家庭の子どもたちにも優しい取り組み、胸が熱くなります。大江町の皆さん、心が豊かで本当に素敵です。私の町にも広がってほしいなあ。