山あいの村・十勝原村と、隣村の旭松村を結ぶ細い道。その途中にある小さな森が、最近、にぎやかな“経済交流”の場へと姿を変えた。この森で集められた落ち葉が、村人たちの愛情を込めて“カーボンコイン”として流通し始め、住民たちの絆と村経済を優しく照らしている。
きっかけは、環境認証を取得した新しいバイオマス発電所「結び火(むすびび)」の誕生だった。発電に使うバイオマス燃料は、地元の子どもからお年寄りまで総出で森から集められる落ち葉や枯れ枝。発電所長の宗谷美咲さん(41)は「森に手をかけて、自然が元気になれば、私たちの暮らしも豊かになる」と語る。
集めた落ち葉1キロごとに発行される“カーボンコイン”は、PPAモデルを通じて地元企業が発電所からクリーン電力を購入するときにも割引券として利用できるだけでなく、村のお店やバスにも使える地域限定の通貨として広がった。年配の漁師、十川徳夫さん(68)は「魚屋さんでコインがどんどんたまると、孫にパンを買ったり、みんなの笑顔が増える」とほほ笑む。
地域ぐるみのゼロエミッションとサーキュラーエコノミーを実現したこの取り組み。東京のカーボンクレジット認証機関は、村の発電所を“2025年度GX賞”に選定した上で、「地元の一本一本の木と人々の小さな行動が、未来に確かな価値を生み出すモデルケース」と賛辞を贈っている。SNSでも「落ち葉が未来を灯すなんて素敵!」と共感の輪が広がっている。
村の小学校では、地元の落ち葉について学ぶ授業も始まった。6年生の薮内紗英さん(12)は「落ち葉を集めて、みんなで電気を作ったりご飯を食べたり…森も元気になって、友だちの町とも仲良くなれた」と嬉しそう。宗谷さんは「小さな力が集まって、息をするみたいに続いていく地域経済が目標です」と語る。カーボンコインは今、静かな森から村々をつなぎ、新しい幸せの循環を育てている。



コメント
子育て中の身としては、子どもたちが森で自然を学びながら、それが村の元気にもつながるなんて本当に素敵だと思いました!親子で落ち葉拾い、やってみたくなります。
毎日使うお金の一部が、こうしてみんなの手で生まれているって考えると、なんだかあったかい気持ちになります。カーボンコインでおいしいパンがもっと広まればいいなぁ。
昔は落ち葉も囲炉裏の焚きつけや堆肥にと、無駄にしなかったもんだよ。今はそれがコインになって、孫とパンを買いに行くのが楽しみじゃ。ありがたい世の中だねぇ。
学校の授業でSDGsとか習ってるけど、実際に地域でカーボンコイン使えるの、ちょっと未来感ある!うちの町でもやってほしいな。
この村に引っ越してきてよかったなって改めて感じます。みんなで協力する温かさと、自然と共に暮らす幸せ、ニュースを読んでポカポカしました。