町にひとつ、希望のバンク——“ちょうちょ債”で広がる小さな森と大きな輪

子どもと高齢者が川沿いのコミュニティガーデンで野花を植えたり蝶を放したりしている微笑ましい風景。 グリーン経済
ちょうちょガーデンでは世代を超えて人々が集い、小さな森と心温まる交流が生まれています。

温室効果ガスの削減やカーボンニュートラルへの関心が高まるなか、琵琶湖沿いのとある町で始まった『ちょうちょ債バンク』が、全国から注目を集めている。地元の小学生から年配者までが参加し、地域を彩る“ちいさな森”を増やすことでグリーン経済の新たな波を作ろうとしているこの取り組みには、毎日たくさんの笑顔が生まれているという。

『ちょうちょ債バンク』は、7歳の児童・榊さくらさんが夏休みの自由研究で考えたアイデアをもとに、地域商工会の田上敬介会長(52)が設立を後押しして立ち上がった。町民一人ひとりが“ちょうちょ債”と呼ばれる小さな手描きのカードをわずか100円で購入。その代金が、地域の空きスペースや河川敷に“ちょうちょガーデン”と名付けられたミニ生態系の森を作るための資金となる。森には在来の野花が植えられ、毎週土曜は子どもたちの手で放された蝶が飛び交う。蝶が飛んだ先の家にカードが届き、新たな寄付者が広がっていく仕組みだ。

第一号の“ちょうちょガーデン”が完成した日、町には思いがけない交流が広がった。「となりのおばあちゃんの話を初めてちゃんと聞いた」「友だちと一緒に土をさわったのは初めて」——参加者からはそんな感想が集まり、SNSには色とりどりの写真と温かいメッセージが溢れた。榊さくらさんは、「みんなで森を作ると、知らない人とも友だちになれる。”蝶の手紙”をもらったときは嬉しかったです」と、満面の笑顔で語った。

環境経済の専門家で大学教授の上月陸(47)は、ちょうちょ債バンクの斬新さに大きな期待を寄せる。「小さな投資を通じて住民主導で緑と生態系が増える仕組みは、経済活性化と脱炭素社会のほっこりした融合。人と人とを結ぶ新しい“グリーン通貨”になり得る」と語る。実際、この町ではエネルギー企業やパン屋などの事業者も参画し、バイオマス発電や水素燃料によるイラストコンテストの開催など、思い思いのかたちでゼロエミッションに貢献している。

最近では、ちょうちょガーデンに設けられた“おすそわけベンチ”に差し入れられる手作りパンや、新芽を分け合う『苗の輪』の取り組みも始まった。町外からの見学者も年々増え、“蝶が舞うたびに町が豊かになる”という噂は、ほかの県にも波紋のように広がり始めている。小さな夢から生まれた“ちょうちょ債”は、地域に緑と出会い、そして心にも優しい循環を育てている。

コメント

  1. 子どもたちが自分から自然とふれあえる場所が増えるのって、本当に嬉しいです!娘も「ちょうちょガーデンに行ってみたい!」と目を輝かせていました。こういう活動が全国に広がったら素敵ですね。

  2. 昔は近所に野花や蝶がたくさんいたもんですが、最近はすっかり見なくなりました。このニュースを読んで懐かしい気持ちになりました。町内みんなで支え合うって、やっぱりいいものですね。

  3. 学校の授業でSDGsを学んでるけど、実際に自分の町でこんな取り組みが始まったらワクワクする!ちょっとしたお小遣いでも参加できるっていうのがいい。僕も友だちと手伝いたいです。

  4. いつもお店のパンをベンチによく差し入れしてます。ちょうちょ債を通じて新しい友だちやお客さんと出会えて、町がどんどん温かくなっているのを実感します。次は何を“おすそわけ”しようかなと考えるのが楽しいです。

  5. 最初は「ちょうちょ債」って何だろうと思っていましたが、お手紙付きで届いたカードがとても可愛らしくて、思わず笑顔になりました。知らない方とも挨拶できるようになって、ちょうちょの力ってすごいですね。