春の訪れとともに、青柳町では不思議な現象が町中で話題になっている。道行く人々の手から、色とりどりの「エア花束」がふわりと空中に現れる、というのだ。これは地元高校の「推し活」サークルが企画した“推しカラー巡礼フェス”の取り組みが生み出した、町を巻き込む温かなムーブメントだという。
フェスのきっかけとなったのは、サークル部長の叶音咲(かなね・さき/17)のSNSでのひと言からだった。「推しへの想いを形にできたら素敵だな」。この投稿が思わぬ反響を呼び、町内の商店会や図書館、老人会も巻き込み、『みんなで“推し”を探して歩こう』と町全体が巻き込まれる形に発展。小学生からシニアまで、参加者はそれぞれの“推し”のイメージカラーを身につけて歩き、エア花束を空中に描きながら町内を巡るユニークなイベントが生まれた。
イベント当日、町はまるで虹色の風船が舞うような幻想的な景色に包まれた。巡礼者たちは手作りうちわや、推し色のリボンで飾った帽子を手に、エア花束を作るポーズで通りすがりの人たちに微笑みかける。「推しって人でも動物でも何でもいいんです。大事なのは好きって気持ち」と咲さんは語る。参加者がエア花束を差し出すたび、ふんわりと淡い光の花々が空中に咲き、SNSでは“#推し花巡礼”のタグとともに幸せな写真があふれた。
町の高齢者会の鈴木梅子さん(76)は、「最初は若い子のイベントかなと思ったけど、みんなが笑顔で話しかけてくれて、自分も推しの俳句の先生の色でエア花束を作ったんです」とほほえむ。また、商店街の栗原陽介さん(会社員、42)は「うちの店にも“推しカラー”シールを貼る子が来てくれて、お客さんとの新しい会話のきっかけになった」と話す。普段交流が少ない世代や職種も、推し活の力で自然と打ち解け合った。
「好きなものへの愛を表したい――そんな思いは世代も国境も超えるんだな、と肌で感じました」。咲さんのことばのとおり、この町では「推し活」が人と人、町と町をつなぐ一輪の花のように広がっている。イベント終了後も、参加者どうしのオンライン交流が盛り上がり、「次は世界中の“推し”をつなげてみたい」と話題になっている。愛がエア花束となり、今日も誰かの心に小さな花を咲かせている。



コメント
小学生の娘と一緒に参加しました!普段はシャイな子なのに、推し色のリボンで笑顔がはじけて…家でも『またやりたい!』と話してます。素敵なイベントを企画してくれて本当に感謝です。
最近の若い子のことはよくわからんなぁと思ってたけど、昨日は声をかけられてわしも照れながらエア花束作っちまったよ。町がカラフルになって、なんだか若返った気分!また是非やってほしいもんじゃ。
地元のイベントって地味なイメージあったけど、こんなにSNSが盛り上がったの初めて!私の推しのカラーでエア花束できて最高でした。来年は友達誘ってもっと大きくできたらいいな~!
最近商店街も静かだったけど、このイベントでお客さんや子どもたちとおしゃべりできてほっこりしました。推しの話を聞くだけで元気になるし、町中が笑顔でいい時間でした。
正直、最初は『エア花束?』って半信半疑だったけど、実際やってみたらすごい一体感でびっくりしました。みんなで好きなものを共有するって、やっぱり温かくていいですね。