県境の広がるブナ林。その森の中に、ふだんは静かな小さな集落・奥野で、春らしい彩りと驚きのアイデアが人々の笑顔を咲かせています。主役は、編み物が大好きな高齢女性たち。彼女たちが地元の自然素材で編み上げた“バイオマス・エコグッズ”が、脱炭素社会への新風を吹き込んでいるのです。
奥野の“もりのおばあちゃん隊”は、平均年齢74歳。リーダーの桐島初子さん(78)が仲間たちと始めたのは、森で集めた落ち葉や枯れ枝、さらには間伐材の繊維を使った手紡ぎ糸づくりでした。「昔は何でも森からいただいてたでしょ?今はエコって言うけど、わたしたちはずっとやってたのよ」と初子さん。作られた糸から生まれたのは、カーボンニュートラルな帽子やバッグ、温もりある手袋など。鮮やかな色合いは、地元の野草や果物の皮を煮出した染料のおかげです。
一風変わっているのは、おばあちゃん隊の販売方法。製品についているQRコードを読み込むと、なんと編み物の材料が“カーボンクレジット”として地域のCO₂吸収記録に登録される仕組みです。毎月、森の手入れをするごとに記録が更新され、森全体のカーボンバランスも可視化されるように。買った人のスマートフォンに「この手袋でCO₂○○g削減!」と表示されると、SNSには「森の編み物でサステナブルデビューした!」「おばあちゃんたちが未来を救う」と温かな投稿も広がっています。
奥野小学校の3年生・柿本大河くん(9)は、初子さんたちの編み物教室が毎月の楽しみ。「最初はおしゃべりばっかりだったけど、今は森のことも学べて、地球が元気になることも一緒にできてうれしい」と、カラフルな帽子を自慢そうに見せてくれました。教室には、都会から移住してきた若い家族や地域の大人たちも集まり、世代を超え、森との絆も深まっています。
専門家によると、こうした地域ぐるみの省資源循環やバイオマス利用活動は、ゼロエミッションコミュニティの実現に大きな力を持つとのこと。森林経済研究所の斎藤千夏研究員は「手仕事の温もりとサステナブルな仕組みが組み合わさることで、持続可能な地域モデルの希望となります」と語ります。奥野の森で生まれる小さな奇跡は、今日も新しい笑顔と、やさしい未来への一歩をみんなに届けています。


コメント
子育て中の身として、本当に素敵な取り組みだなと感動しました。自然や環境について子どもと一緒に学べるって貴重ですよね。手づくりの温もりもエコの知恵も両方学べるなんて羨ましいです。奥野のおばあちゃん達、尊敬します!
わたしと同年代の方たちがまだまだ元気に、しかも時代の最先端をいくような活動をされていて本当に嬉しくなりました。昔ながらの知恵が、こうして新しい形で生かされているのを見ると勇気がもらえます。私も孫と編み物をまた始めたくなりました。
森の編み物=CO2削減って、めちゃくちゃ面白い!最初はフィクションっぽいと思ったけど、こんな風に地元の人が楽しみながら地球に貢献できるの、アリだと思います。今度、学校のSDGs発表のネタに使わせてもらいます!
うちも奥野の近くだから、去年ふらっとおばあちゃん隊の教室に参加してみました。みなさん本当に優しいし、森の話を聞きながら手を動かす時間が心から楽しかったです。これからもっとたくさんの人に広がるといいなと思います!
森の恵みで編まれたグッズ、カフェでも扱ってみたいくらい可愛いし意義あると思います。QRで『CO2削減!』のお知らせも遊び心があって素敵!こういう楽しくて温かいアイデア、もっと増えてほしいなあと感じました。