午前中のやわらかな陽が差す岬の小さな入り江。「海藻カフェ・グリーンウェーブ」には、今日もカラフルなエプロンを着たスタッフと、地元の漁師や子どもたちのにぎやかな声が響いています。このカフェは、波の音と共に「海の緑」を生かした未来への挑戦が始まった場所です。
オーナーの舟橋カエデさん(42)は、もともと飲食業とまったく縁のない環境プランナーでした。2年前、祖父の遺した舟を改装して、プラントベースのメニューだけを出す小さなカフェを開店。特徴は、海藻を主役にした新発想のスープやスイーツが並ぶこと。近隣の漁師である宮田ユウゾウさん(54)が摘んでくるワカメやヒジキ、トサカノリなどが、カエデさん考案のレシピで見事に生き返ります。「海からの贈り物で、みんなが楽しく集まれる場を作りたかったんです」とカエデさんは笑います。
このカフェの取り組みが注目されるきっかけになったのは、昨年から始まった『こどもブルーカーボン探検隊』の活動。村の小学生たちと一緒に海藻畑を観察し、二酸化炭素を吸収して酸素を出す“天然の海の森”の仕事ぶりを毎週測定しています。驚くべきことに、子どもたちが記録したデータは、海藻の生長に合わせて地元のカーボン・クレジットや地産の電力事業と結びつき、毎年カフェで使う電気の半分以上が『グリーン海藻電気』として地域内で循環していることがわかりました。
この循環モデルは、SNSでも「#海藻でCO2ゼロ生活」などのハッシュタグで話題を集め、都市部の自然志向層から遠足やリモートワークの拠点としても人気が広まりつつあります。「グリーンウォッシュではなく、本当に手応えのある循環を地元の人と一緒に作れる喜びを感じます」とカエデさん。ブルーカーボンの可能性を広げる新しい発想として、専門家の間でも評価が高まっています。
「一見地味だけど、海の緑は本当にすごい力を持っている。小さな町でも始められることがあると知ってもらいたい」と語るのは、中学生となった探検隊リーダーの鈴木ユウトさん(14)。海藻カフェを中心にした取り組みは、今春から地域の高齢者サロンや観光客向けマップづくりにも広がっています。静かな入江から始まったこの温かな“緑の波”が、海辺を超えて世界へ届く日が楽しみです。


コメント
子どもたちがブルーカーボン探検隊に参加しているなんて素敵ですね!環境のことを楽しみながら学べる場所が近くにあったら羨ましいです。家族で『海藻カフェ』に行きたくなりました。
年をとると、昔の海の豊かさをよく思い出します。こんな取り組みが若い人たちの中から生まれているのは、本当に頼もしい。ぜひサロンにも来て、みんなで話を聞きたいですな。
めっちゃ素敵なカフェ!プラントベースって健康にもいいし、環境も守れるし、一度お手伝いに行ってみたいです。SNSで話題になる理由もすごくよくわかる〜。
近所に住んでいます。平日に散歩していて、カフェから子どもたちの笑い声が聞こえてきて、心があったかくなります。カフェのスープもおいしくて大好きです。ずっと続いてほしい取り組みです。
自分もいつかこんな探検隊やってみたい!地元の自然を守るのは難しそうだけど、楽しんでやってる姿がかっこいい。同じ学生として刺激もらいました!