移動サウナバスが笑顔を運ぶ——町を巡り繋がる“ととのい”の輪

地方の町の広場に停車したサウナバスのまわりで、タオル姿の人々が笑顔で集まっている様子の写真。 サウナブーム
移動サウナバスの前で交流を楽しむ地域の人々。

サウナブームが各地に広がる中、新たな試みが静かに注目を集めている。温かな陽気の中で町と町とを結ぶ一台の「移動サウナバス」が、利用者たちに不思議な“ととのい”と心の温もりを届けている。

青森県と秋田県の県境、市川大志郎さん(52)が運営するそのサウナバスは、かつて地元のスクールバスとして活躍していた大型車両。大志郎さんは東京で長年働いた後、“生きがいのある第二の人生”を求めて故郷へ戻った。彼がリサイクル改造したバスには最新の個室サウナやフィンランド式薪サウナが設置され、天然の湧き水を使った水風呂や、地場野菜の“サウナ飯”を味わえるキッチンまで用意されている。

「町にサウナがない地域でも、週1回は“ととのい”を体験できる。お年寄りや子ども、仕事帰りの社会人も、皆に平等にサウナの楽しさを感じてほしい」と語る大志郎さん。サウナバスが町の広場や小学校前に停車する日には、老若男女が足を運び、初対面同士がタオルを片手に笑い合う。一緒に蒸され、水風呂で「きもちいい!」と声をあげる――その輪は徐々に他町へも広がり、小さな交流が芽生えはじめている。

一番人気は旬の山菜を使ったサウナ飯『春のととのいリゾット』。蒸しあがった後に味わう温かさは格別だ。「ひと汗かいた後で食べるリゾットは、どんな高級料理より嬉しい」と話すのは利用者の酒井宏香さん(37・保育士)。SNS上でもサウナバスの写真や感想が日々投稿され、「サウナ仲間が増えた」「家族で毎週通うのが楽しみ」などの声が絶えない。

専門家の梅原友紀氏(健康文化研究所)は「このバスは単なる移動サウナでなく、地域コミュニティ形成にも大きく寄与している。現代人に不足しがちな“ゆるやかなつながり”を自然と生む点が素晴らしい」とコメントしている。今後は新潟、山形などの山間部への運行も検討中だという。かつて人や物を運んだバスが、今は“幸せ”と“笑顔”を町ごとに運ぶ。その温もりは北国の春を、より一層明るく彩っている。

「来週は隣町で桜を見ながらサウナです」。大志郎さんの優しい宣伝が、また一つ、地域の心をあたためている。

コメント

  1. 子どもと一緒にサウナバスを体験しました!普段なかなかお風呂以外でゆっくり過ごす時間が取れないので、家族でととのえる時間が本当に貴重です。リゾットも優しいお味でほっこりしました。毎週の小さな楽しみができて嬉しいです。

  2. 移動サウナ、めっちゃエモいです。友達と一緒に参加してみたら、知らない人ともすぐ仲良くなれちゃいました。都会のサウナと違って、地元ならではの温かさがあって癒されました。もっと広まってくれるといいなーと思います!

  3. この年になると新しいことはなかなか挑戦しませんが、孫に誘われてサウナバスに乗りました。外でみんなと湯気に包まれて、昔の銭湯を思い出しますね。やっぱり人の笑顔は若返りの薬です。ずっと続いてほしい取り組みだと思います。

  4. SNSで噂だけは聞いていたけど、こんなステキな活動だったんですね!来週の桜サウナ、絶対行きたいです。美味しそうなサウナ飯にも惹かれてます。もっと隣町にも来てほしいなぁ〜。大志郎さん楽しい企画をありがとうございます!

  5. 記事を読んで朝からぽかぽかの気持ちになりました。地域をあたためてくれるサウナバス、その輪がどんどん広がりますように!大人も子どもも、お年寄りもみんなで笑顔になれる場所が増えていくのは素敵です。