朝靄に包まれる静かな町の片隅。手作りの看板が目印のカフェ「ひだまりエッグ」には、週に三度だけ、色とりどりのノートを抱えた小学生たちが集まる姿が見られるようになった。店主の古川陽子(52)さんの“やってみたい”が、町を少しずつ変えている。
きっかけは昨冬。近所の小学3年生・小椋明人くん(9)が、学校帰りに「プログラミングの宿題がわからない」とカフェへ駆け込んだ。古川さんは詳しくなかったが、相談に来る明人くんの熱心さにほだされ、ネットや本で調べて一緒にコードを書き始めた。翌週には、明人くんの友人の八重樫美琴さん(9)も参加。徐々に「質問したいから朝ちょっと早く来てもいい?」とメンバーが増え、自然発生的に“朝食会”が始まった。
この朝食会では、ココアと自家製パンを囲みながら「プログラミングQ&A」「昨日の復習コーナー」そして“今日のみつけた”を語り合う探究タイムが定番となっている。新たなことを知ったらホワイトボードに記録。間違えた部分は『まちがえノート』に書き残し、それをみんなで反復練習するのがちょっとした流行に。「朝、友達と問題を一緒に考えると楽しい。学校の授業がもっと好きになった」と美琴さん。ピアラーニングの輪は確実に広がっている。
週末には大学生のボランティアや、リタイアした元エンジニアの柳田紀夫さん(67)も加わり、質問タイムがさらに盛り上がる。柳田さんは「大人もこどもも質問を歓迎する雰囲気が素晴らしい。昔は“間違い”を指摘するのが役目のようだったけど、ここは間違いからみんなで新しい発見をする。“いい間違い”がたくさん生まれるのが嬉しい」と語る。時には参加者同士で小さなアプリを作り、自分たちで評価し合う“ミニ発表会”も好評だ。
SNSではこの取り組みが「朝から脳が目覚める」「子どもも大人も学び直せる場所」と話題に。町の図書館や他のカフェでも、同様の朝学習会が生まれ始めている。「学ぶ勇気は、カフェの温かいココアから始まった」と明人くんは言う。地域の誰もが先生であり生徒になれる、“まちぐるみ”の学びの朝が、今日も静かに広がっている。
教育評論家の村瀬怜奈さん(47)は、「評価や暗記だけの学びから、問いを持ち、ピアと支え合い、間違いや工夫を大切にする文化こそ21世紀的。学習の場が学校だけでなく地域社会にもひろがることで、子どもたちの自己肯定感が自然に育つ」と期待を寄せている。小さなカフェの毎朝は、誰もが自分らしく学び直すことのできる“虹色のプログラミング時間”へと輝きを増している。



コメント
こんな素敵な企画が近所でもあったら、うちの子も絶対に参加させたい!子どもたちが朝からワクワクして学ぶ姿、想像するだけであたたかい気持ちになります。古川さんの勇気と優しさ、本当に尊敬します。
昔は間違えると怒られたものですが、こちらのカフェではその『まちがえ』さえ宝物になるのですね。年をとってからでもこんな風に一緒に学べる場があるのは、実は大人にとっても嬉しいことだと思いました。
自分も小学生のとき、プログラミングで苦労したなあ。もしこういうところがあったらもっと楽しんで勉強できた気がする!朝ごはんを食べながら友達と質問し合うなんて、うらやましい!!
毎朝カフェの前を通るたび、ココアの香りと子どもたちの声が聞こえてきて、こちらまで元気をもらっています。『地域みんなで育てる』って、こういうことなんだと感じました。これからも温かい朝が続きますように。
いや〜このニュース、なんだか嬉しくて何度も読んでしまいました。大人も子どもも一緒にプログラミングに挑戦するなんて最高じゃないですか!『いい間違い』って言葉、明日から僕のチームでも取り入れたいです。