走るカフェ列車に広がる笑顔―多様性を味わう“ダイバーシティ・カフェトレイン”出発

列車の車内で多様な乗客がテーブルを囲み、様々なお菓子を楽しみながら談笑している様子。 ダイバーシティ推進
多様な人々が集うカフェトレインの車内には、笑顔とぬくもりが満ちていました。

車窓からの景色とともに、ぬくもりと多様性を味わう列車が話題を集めている。東海道本線を走る特別列車「ダイバーシティ・カフェトレイン」は、乗客それぞれの違いが“ごちそう”になる、心和む特別な空間だ。

カフェトレインの始まりは、車掌の白石美緒(37)さんのひとつの提案だった。「子育て中のお母さんから、車内でオムツ替えできる場所がほしいという声。視覚障害のある乗客から、“もっと列車を楽しみたい”とのリクエスト。小さな声を拾うことから始めたんです」そう語る白石さんは、スタッフらと共に車両を少しずつ改造。フラットな床に車いすスペース、手話ができるクルーや読み聞かせボランティアも集まった。

週末の列車は満席状態。親子連れや高齢者、留学生や働く人が入り混じる中、テーブルには国や世代を超えたお茶菓子が並ぶ。話し声と笑い声が自然に交わるのが、この特別列車の最大の魅力だ。障害のある人も、支援を必要とする親も、そして誰もが、“誰でも歓迎される場所”と感じている。普段会わない人と助け合い、エピソードをシェアするひとときに、車内の空気がほんのりとあたたまる。

常連の会社員・瀬尾貴義さん(50)は「昨年ここで知り合った方と、いまでは家族ぐるみの付き合い。視点が増え、人生が豊かになった気がします」と笑顔で語る。また、車内では「みんなでおしゃべりタイム」というコーナーで、少女から高齢者までが順にマイクを握り、自分のことや好きなものを紹介する姿がほほえましい。SNSでは《#カフェトレインで出会う世界》などのタグでエピソードが続々と共有され、全国から多様な人が集まるきっかけともなっている。

専門家の高岡菜々教授(社会福祉学)はこう分析する。「物理的なバリアフリーだけでなく、心理的な“心のバリア”が自然と下がる場所です。こうした場が全国に増えれば、社会全体のエンゲージメントや公平性も深まっていくでしょう」カフェトレインは今後、各地に“多様性の駅弁”企画を拡大予定。ユニークな列車の旅が、日常の一歩先にある“やさしい未来”をそっと照らしている。

コメント

  1. 子育てしていると移動が大変なので、オムツ替えスペースや配慮のあるカフェトレイン、本当にありがたいです。こういう場所が増えると、親子のお出かけももっと楽しくなりますね。スタッフさんに感謝です!

  2. ワシも昔は鉄道ファンでねぇ、こうした温かい列車が生まれる時代になったことが嬉しいわい。色んな世代や国の人と話せる機会なんて、今の若い人が羨ましいのう。ぜひ一度乗ってみたいもんじゃ。

  3. 大学でダイバーシティについて学んでいるので、このカフェトレインの取り組みにはとても共感します!普段の生活ではなかなか出会えない人と繋がれるって素敵。SNSもチェックして乗ってみたいです。

  4. 明るい話題で心がポカポカしますね。地元にもこんな列車が来てくれたら、お店のお菓子を持って遊びに行きたいなぁ。みんなが笑顔で過ごせる時間ってやっぱ大事ですね。ありがとうございます!

  5. I’m a foreign student and this article made me smile! Different cultures sharing sweets and stories on a train is just beautiful. 日本のやさしさをもっと感じたいので、私も絶対参加したいです。素敵なプロジェクトですね!