月末になると、全国の家庭で“お金”にまつわるちょっとした話し合いが行われる。しかし今、福島県いわき市に住む五十嵐家では、新しい取り組みが家族の絆を強め、家計に不思議な笑顔を咲かせている。それは「家族コインの芽」だ。近年の節約志向や電子マネーの普及を背景に、家族で工夫をこらした“家計活”が今密かに広がっている。
五十嵐一郎さん(42)はメーカー勤務の会社員。妻の玲子さん(39)、高校2年生の長女・美羽さん(16)、小学4年生の長男・陽斗くん(10)の4人家族だ。今年の春、家計簿アプリの話題が朝食の食卓に上ると、「みんなの節約やお手伝いが、もっと実感できる形になればなあ」と玲子さんがぽつり。そこで一家は発案した。“自分たちだけの電子コインを作ろう”というアイデアだ。
家族はリビングに設置した小さな「コインの芽」カードリーダーに、それぞれが工夫やお手伝いで貯めたポイントを電子コインとして“植える”仕組みに挑戦。パパの早起きしてゴミ出し、ママの食費節約レシピ、美羽さんのテスト勉強サポート、陽斗くんの洗濯物畳み…。それぞれ1コインずつチャリンと「芽生え」を記録していくと、週末には“家族会議”でその週に誰がどんな工夫をしたか、貯まったコインを皆でシェア。特別なカードをスキャンすると、週ごとの“芽コイン”はスクリーンにデジタルの花となり、咲き誇るのだ。
貯まった『家族コインの芽』は、家族オリジナルのボーナス制度としておやつ、外食、次の家族旅行の積立などに換算。時にはお小遣いの補助や、ちょっと背伸びした日帰りレジャーの足しになることも。一番多くコインを集めた人は『今月のありがとうスター』として称えられる決まりも。“競争にならず、誰かの工夫をみんなが称え合い、自然と家の中も明るくなる”と口コミでも評判に。
同じ制度を真似する家庭も現れ、SNS上では「長女の一言コイン」「パパのおやじギャグコイン」などユニークなアイデア報告が相次いでいる。家計アドバイザーの山内清香さんは『数字では見えない、家族の頑張りや優しさをきちんと評価できる仕組みが今、全国で広がっている。家計管理を“家族みんなの幸せの形”に変えるのは、とても素敵な現象です』と話す。
電子マネーや節約アプリが普及した時代、五十嵐家発の「家族コインの芽」制度には、新しい家計活のあり方と、なにげない日々に咲く優しさも育っている。『毎日がちょっとウキウキ。うちの“芽コイン”、これからも大きく育てていきます!』と、玲子さんは笑顔を見せた。



コメント
同じように子どもにお手伝いしてもらう工夫を考えていたので、この記事にとても元気をもらいました!うちでも『家族コイン』マネしてみようと思います。家族みんなが笑顔になるアイデア、素敵ですね。
なんかこういう温かい制度、今の時代にすごくピッタリだと思います。小さい頃に家族みんなで頑張ったことって大人になっても覚えてるものですし、ちょっと羨ましいくらいです!
孫がよく遊びに来てくれるのですが、こういう“コイン”遊びならみんなで楽しめそうですね。昔からの家計簿とはまた違った現代風の工夫に感心しています。五十嵐さん、ご家族素晴らしい取り組みですね。
こういう明るい話があると、町全体も元気になりそうだね~。最近は大人も子どもも忙しいけど、みんなで声かけ合って助け合うの、やっぱりいいなと改めて感じました!
正直、ちょっと最初は照れくさそうだな~って思ったけど、自分も家族と離れて暮らしている今、読んでてじんわり温かくなりました。次の帰省の時、何か家族のためにできること探してみます!