朝カフェで生まれる“リーダー交代制”──フロムリーフ社のほっこり革命

東京駅近くのカフェで、幅広い年代の社員たちがテーブルを囲み、朝食を食べながら若い女性が会議をリードしている様子の写真。 リーダーシップ
朝カフェで持ち回りのリーダーが会議を進行するフロムリーフ社の風景。

「会社のリーダーって、交代してもいいよね?」そんな一言から始まったのが、フロムリーフ社が導入した“朝カフェ・リーダー”制度だ。東京駅近くの小さなカフェを拠点とする同社では、毎週金曜日の朝、社員全員で集うモーニング会議の“リーダー役”を持ち回りで決定するというユニークな試みが波紋を呼んでいる。

新卒からベテランまでが同じテーブルを囲み、チョコクロワッサンやイチゴのスムージーを片手に、自分が“リーダー”になる番を楽しみにする。普段は総務部で黙々と働く佐治香苗(27)が、プロジェクトの方向性を提案し、営業チームの西尾慶斗(48)がカプチーノ片手にそれに賛同する。「普段、静かな佐治さんのアイデアが出るようになって、部署を超えて会話も増えました」と西尾は微笑む。見える肩書きではなく、その日その時のリーダーの視点を全員で学び合うのが新しい流れを生み出している。

この制度のきっかけとなったのは、社長の深見政樹(55)がメンターとして参加する“ふらりカフェ会”での気付きだ。異業種交流を繰り返す中で「リーダーは一人じゃない、それを日常に持ち込んだら?」という思いが膨らんだ。深見は「どんなに小さな話題でも、誰かがリーダーに立つと周囲が自然と支えてくれるんです。リスクがあれば、他のメンバーが『一緒に考えよう』と声をかける。“一人で背負わないリーダーシップ”を実感しています」と語る。

朝カフェでのリーダー交代に合わせて、フィードバックカードも登場した。“今日のリーダーへのありがとう”と題して、小さなメモにその日の感想や感謝を書き合う姿が定着。会議終わりにカードを読んだリーダーは、時折うれしそうにほほ笑みを浮かべるという。この取り組みがきっかけで、お互いの得意や苦手も自然と話題にのぼり、サポートし合うチームワークが強まったとの声も。SNS上でも「朝から前向きになれる」「役割のシャッフルが楽しい」といった感想が広がっている。

組織づくりの専門家、上田京助(組織心理学者)は「肩書きや経験にとらわれず、リーダーの役割を循環させることで、社員一人ひとりのビジョンや決断力が磨かれていきます。小さな温かな実験ですが、職場に優しい風をもたらすことでしょう」と評価する。大手企業の壁を越え、“毎週のリーダー役をみんなで応援する”この文化は、じわじわと他社にも波及中だという。週明け、フロムリーフ社のカフェにはまた、新しいリーダーの笑顔が咲き誇ることだろう。

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