虹色トーストで街に笑顔を――クラウドファンディングが生んだ新たな朝

カラフルな虹色トーストを囲み、親子が朝食テーブルで笑顔を見せている様子の写真です。 クラウドファンディング
家族で虹色トーストを楽しむ朝の団らんが各地で広がっています。

静かな地方都市・彩浜で、虫谷碧(むしやみどり/パン職人・41)の“小さな夢”が予想外の大きな輪を生んでいる。健康志向と食のワクワクを掛け合わせた新商品「虹色トースト」の開発を目指したクラウドファンディングが、まさかの支援殺到で一夜にして目標金額を突破。始まりは、家族の小さな隠し事からだったという。

標準的な食パンに7色の野菜ピューレと果物ジャムをリボンのように織り込んだ「虹色トースト」は、“朝が楽しみになるようなパンを子どもと作りたい”という虫谷碧の息子(小学生・9)のひとことがきっかけだ。仕事の忙しさで朝食を作れなかった自分を責めていた碧が、息子の描いた虹色のトーストの絵を偶然見つけたのは昨年の春。そこから試作を繰り返し、彩浜の人々にも味見を頼みながら“家族で集う朝のテーブル”をテーマに開発が始まった。

材料費や新たなオーブン購入のため始めたクラウドファンディング。最初の目標金額は30万円に設定されたが、プロジェクト公開わずか3時間で半分達成、その日のうちに全国から支援金が堂々の70万円を突破した。彩浜在住の中高生たちがSNSで「#虹色トースト食べたい」と一斉に発信、さらには都市部の健康志向ファミリー層にも広まって、1週間で380組もの支援が寄せられる異例の展開となった。

注目されたのは、リターンの工夫だ。支援額に応じて虹色トーストの現物だけでなく、家で作れるキット、虫谷一家のオリジナルレシピブック、さらには“お礼の朝ごはん会”の参加チケットが用意された。なかでも人気だったのが、子どもがパン作り体験をし“自分だけの虹”を描けるオリジナルパン皿の贈呈。直接受け取りに来た親子の「今日から朝が待ち遠しい」という言葉が、虫谷卓巳(息子)くんの宝物になっているという。

「知らない人同士が“#虹色の朝食”でつながっていてうれしいです。パンがこんなに人を結んでくれるなんて」と虫谷碧は目を細める。食品科学を専門とする槇原実(大学准教授・46)は「食卓を囲む小さな楽しみが、現代の暮らしに前向きな連鎖を生み出している好例」と話す。春休みを目前に、彩浜には虹のトーストで顔をほころばせる親子の姿があふれている。SNSには「うちの虹色トースト大成功!家族で作った」「実家に送ったら孫が大喜び」という声も。ささやかながら心やすらぐ朝が、思いがけず全国へ、そして誰かの明日への元気につながっている。

コメント

  1. こんな素敵なパンがあったら、子どもたちも毎朝起きるのが楽しみになっちゃいますね!彩浜の皆さんがうらやましいです。家でも作ってみたくなりました。

  2. 朝食が楽しみになるなんて若い頃を思い出します。近くでこういう温かな取り組みが広がってくれて嬉しいですね。孫と一緒にパン作り体験してみたいものです。

  3. 彩浜の中高生がSNSで盛り上がってるの知ってました!こういうプロジェクトに地元が一体になるのを見ると、何だか自分も挑戦したくなる。応援してます!

  4. お散歩中によくこのパン屋さんの前を通るのですが、最近はお店から子どもたちのはしゃぐ声が聞こえてきて、こっちまで元気になります。彩浜の自慢が増えましたね。

  5. 最初はクラウドファンディングって難しそうと思ったけど、パンを通じて家族も地域もつながるんですね。娘と思い出を作りに体験イベントに応募しました。楽しみ!