国境を越えて誰かの食卓と日常を想う、そんな優しさが生まれる場所が今、多文化交流都市・神戸にオープンし注目を集めている。“おすそわけ食堂 ラピス”と名付けられたこの小さなレストランには、一風変わったルールがある。
“ラピス”で振る舞われる料理は全て、世界各地にルーツを持つ近隣住民たちの家庭でその日の朝につくられた手料理だ。店で調理するのではなく、家庭のキッチンから大切に持ち寄った郷土料理や、家族の思い出が詰まったレシピが、そのままカウンターに並ぶ。持ち主と来店客が自然に言葉を交わし合い、料理の由来や思い出話に花を咲かせる光景が日常になっている。
食堂を運営するのは、調理師のヴァルガ・レミナ(42)。北欧出身のレミナは、自身がビザの更新で困難な時期、地元の主婦・小野田葵(37)から“手作りパン”をふるまわれ救われた体験がきっかけでこの食堂を企画した。「料理は言葉の壁を越える魔法のようなもの。誰もが自分の背景や文化を誇りとして語る場を持てたら、町の雰囲気も必ずあたたかくなると思ったんです」と語る。
この日カウンターを彩ったのは、トルコのビーガン“ドルマ”、スペイン風オムレツ“トルティージャ”、ポーランドのグルテンフリーパンケーキ、日本の発酵漬物のサラダ。参加者は料理カードに、自分の名前と簡単なストーリーを書き添えて添付。「小麦アレルギーの子どもでも食べられるレシピ」「母の願いが詰まったおまじない料理」など、食を通じて伝わる愛情がにじむ。
「SNSでは“ラピスチャレンジ”のハッシュタグが流行中。『#今日の地球ごはん』と題し、世界53ヵ国から自慢の家庭料理写真が寄せられているという。専門家の食文化研究者・松田周作(54)は「都市の食堂が“地球の食卓”の役割を持ち始めている。アレルギー対応やビーガン、伝統食の尊重などソーシャルダイニングの理想形」と評価。小さなキッチンから生まれる一皿一皿が、ささやかな平和の証として町中に笑顔を届けている。



コメント
小麦アレルギーの息子がいるので、こういう食堂は本当にありがたいです。世界のお母さんたちの優しさが伝わってきて、読んでいてほっこりしました。子どもと一緒に行ってみたいです♪
最近は知らない人と話す機会が減ってきていたので、昔ながらのご近所さんのつながりのようで嬉しいですね。若い頃、町の食堂でよく雑談したのを思い出します。今度孫と行ってみます。
めっちゃ素敵すぎる!いろんな国のごはんが食べられるとか夢じゃん。インスタで #今日の地球ごはん も見てきたけど、どれも美味しそうで世界旅行した気分になる!
近くにこんなお店ができたなんて知りませんでした。お料理から人柄や家族への愛情が伝わるって、すごく素敵だと思います。今度ご挨拶がてら参加してみたいです。
フィクションなの、ほんとに信じられないくらい素敵なアイデア!もし現実になったら、みんなに優しい場所になるだろうなあ。世界がちょっとあったかく見えました。