奇跡の“ダイスエールデー”:優しさがめぐるボードゲームカフェの一日

複数の年代の人々がボードゲームカフェでテーブルを囲み、ダイスやボードゲームを楽しそうにプレイしている様子。 ボードゲームカフェ
世代や立場を超えて心がつながる、ボードゲームカフェの温かなひととき。

静かな春の夕暮れ、千歳市北部にひっそり佇むボードゲームカフェ『ランダムドリーム』で、心温まる出来事が起きた。常連も初来店の人も、まるで運命に導かれるように集い、ダイスがつなぐささやかな“優しさの連鎖”が広がったのだ。

この日、ランダムドリームではひとつの小さな奇跡が始まった。会社員の一之瀬光太(32)は、仕事帰りにふらりと立ち寄り、ソロで推しボドゲ『四季の園』を遊ぶつもりだった。店内は貸切プランが入っていない平日のため、さほど混み合ってはいなかったが、ちょうど入店してきた小学5年生の吉岡澪(11)とその母、主婦の吉岡真帆(41)が「フリードリンク付きで試してみたい」と受付で戸惑っていた。一之瀬はスタッフの本多結衣(22)にすすめられ、吉岡親子と一緒に遊ぶ流れになった。

三人がプレイを始めると、偶然居合わせた大学生グループも興味を持ち、見知らぬ参加者同士がテーブルを囲むことに。すると、真帆が「初対面でもルール説明をしてくれる人がいると助かります」と話し、光太がボードゲームの説明役に。プレイ料金を分け合うためダイスを振って順番を決めるうちに、卓上に広がるのは笑い声と“ちょっとした親切”だった。

さらに、エスケープルーム風の新作イベントが当日偶然スタート。スタッフの結衣が「みんなで協力しなきゃ脱出できないんです」と案内し、年齢や職業もバラバラな参加者たちが自然と励まし合い、失敗しても誰かがダイスの目に合わせて“推しボドゲ”の豆知識を披露するなど、温かな交流がうまれた。

SNSにも様子は広まり、〈知らない人同士で集まっても、ただ遊ぶだけで“日常の味方”ができる場所〉と評判に。名物のレモンソーダを片手にほほ笑む光太は、「あの日ダイスを振ったことが、ひとつの思い出になった」と語る。ボードゲームカフェはこの日から『ダイスエールデー』を定期開催。きっかけは誰かの勇気、小さな親切の連鎖だ。

専門家の多田和美(ボードゲーム文化研究家)は「ボードゲームをきっかけに地域の人が出会い、優しさが自然と重なっていく場が増えることは、人の心の余白を豊かにします」とコメント。いつものまち角に、小さな奇跡が転がっている。

コメント

  1. 子どもと一緒に行ける場所がこんなに温かいなんて素敵です。初めてでも安心できそうなので今度ぜひ遊びに行きたいです!

  2. 最近のカフェは若い人向けかと思っていましたが、世代を超えてみんなでワイワイできる場所があるなんて素晴らしいですね。昔の将棋仲間と一度訪ねたいです。

  3. 大学のサークルでボードゲーム大好きなんですが、こんなふうに知らない人同士が仲良くなれるイベントいいですね!自分もいつか誰かの助けになれたら嬉しいです☺️

  4. 記事読んでほっこりしました。うちの近所にもこういうお店があったら、孫と一緒に顔を出してみたい。地域の新しいつながり方ですね。

  5. ふらっと立ち寄った場所で優しい連鎖が生まれるなんて、まるで映画のワンシーンみたい!私もきっかけを作れる人になりたくなりました。