錦鯉が教える“まごころマネジメント”——異種間研修がビジネス界に優しさ旋風

屋上ガーデンの池のそばで錦鯉を見守る複数の会社員たちの様子。 リスキリング・人材育成
都心の屋上庭園で錦鯉を観察しながら研修を受ける社員たち。

都内の企業ビルの屋上ガーデンで、思いもよらぬ形のリスキリング研修が注目を集めている。研修のパートナーはなんと、色とりどりの錦鯉たち。彼らが“ファシリテーター”となり、人間社員が見失いがちな協調と優しさを伝えるという画期的なプログラムだ。

株式会社アイリス・オーク(本社:東京都)は昨秋から、オフィスの屋上庭園に設けた大きな池を舞台に『まごころマネジメント研修』を開始。池には15匹の錦鯉たちがのんびりと優雅に泳ぐ姿が見られ、朝夕の研修時間になると社員たちは池の縁に腰かけ、専用タブレットを手に錦鯉たちの動きを観察・記録する。錦鯉同士の緩やかな連携や自然体の振る舞いから、マネジメントに必要な“待つ勇気”や“さりげない気遣い”を学び取るのだ。

企画の中心人物である人材育成担当の大岩みのりさん(35)は、「マイクロラーニングやeラーニングも有効ですが、心がすさんでいると知識の定着は思うように進みません。錦鯉たちと向き合うことで、社員たちは『焦らなくていい』『共にあることの意味』を体感しているようです」と語る。人間同士では出にくいゆるやかな空気が、思考のリセットや発想の転換に好影響を生んでいるという。

この異色の研修、参加者は年齢も部署も経歴もさまざま。普段は交わることのない営業部の櫻井康平さん(42)と総務の女子社員数人が、錦鯉の名前をユーモアたっぷりに考えたり、デジタル越境日誌に「今日は“オレンジ太郎”が“白雪姫”をそっと避けていた」と記したりする様子が人気となっている。SNSでは「鯉の間合いに癒やされました」「見守る研修、人生にも効く」といった感想が相次ぐ。

また、専門家の菊池蘭己教授(社会動物学)は「鯉は実は社会性が高く、群れと適度な距離感を保ちながら協力行動をとります。観察を通じて自然体のマネジメントや他者とのつながりを体得するのは、今後の人材育成にも大きなヒント」と話す。

今春からは、他社や近隣オフィスの一部フリーランスも参加できる“池越境学習”も開始。初回ゲストとして大手IT企業のエンジニアが訪れた際は、池の向こう側から手を振り合う参加者同士の微笑ましい光景が見られたという。屋上の小さな池が、ビジネス界に静かな癒やしと優しさ改革の波を広げている。

コメント

  1. 子育てに毎日バタバタしている身としては、錦鯉のようなゆったりした空気に包まれてマネジメントを学べるなんて本当に素敵だなと感じました。うちの子どもたちにも、待つ勇気や思いやりを鯉さんたちから学んでほしいです。こんな会社が増えたら、世の中まるくなる気がします!