朝露がきらりと光る高原の丘に、小さな市場が生まれている。常連客の間では“スズメの市場”と呼ばれ、再生資源と手作りの品がずらりと並ぶ風景は、訪れる人々の心を柔らかく解きほぐす。彩り豊かなこの光景の秘密には、不思議な協力者の存在があった。
市の西部に住む再生資源作家の霧島聡志(52)は、この高原で毎週末ごとにゼロウェイスト市場を開いている。目印は虹色の羽根が混じるスズメたち。彼らは早朝になると、空き缶のプルタブやガラス片など、近隣の森や川岸から“宝物”をくちばしで運んでくるのだ。霧島は「最初はただの習性かと思っていましたが、スズメたちは明らかに決まったものだけを集めてくる。“資源ゴミ”になるはずだったものが、ここでは宝石のように扱われているんです」と微笑む。
集まった素材は、地域の子どもたちと一緒に新しい命を吹き込まれる。主婦の本橋ゆりえ(39)はガラス片でモザイクプレートを作り、高校生の鳥羽駿平(17)は古い釘や木片を繋ぎ合わせてユニークなカトラリーを制作。来場者は持ち寄った不要品と、誰かが手を加えた“生まれ変わった品”とを自由に交換できる仕組みだ。リユース文化に触れる子どもたちは「捨てる前に話し合ったら、こんなに面白いことになるんだ」と目を輝かせていた。
この市場にはSNSでも多くの共感が寄せられている。『虹色スズメと人間の共同作業に、毎週癒されます』『子どもが“捨てる”前に“考える”習慣を覚えた』といった声が相次ぐ。自然と人が手を取り合う輪は、隣町からも参加者を呼び寄せるようになった。生物行動学者の梅田大貴(41)は「スズメたちの行動は環境変化への適応とも言えますが、人との絆がやさしい循環を生んでいるのはまさに奇跡です」と語る。
市場の原点は、2年前に近くの川でプラスチックごみを集めていたスズメを霧島が偶然目撃したこと。人と自然が同じ目線でゴミを“資源”に変えられることを夢見て始めた実験は、いつしか町全体の週末イベントへと育った。今ではスズメたちもすっかり顔なじみ。それぞれの翼に主役の誇りを抱き、今日も高原の空へと舞い上がっていく。


コメント
心がほんわかしました!うちの子も物を大切にするように言ってますが、こうやって自然と協力してリユースの輪が広がるのは本当に素敵だと思います。ぜひ家族で行ってみたいです。
いやあ、昔は物を大事にしてたもんです。今の子どもたちがゴミを宝物に変える楽しさをこうして学んでいるのは感慨深いですね。ワシも一度見に行ってみたい。
虹色のスズメって聞くだけでワクワクします!人と動物が一緒に活動するなんて夢みたい。自分もボランティアで参加できるならやってみたいな。
週末に近くを散歩すると市場の賑わいとスズメの姿が見られて、つい寄り道してしまいます。皆が笑顔で交流していて、町が明るくなった気がします。