パン屋と図書館が夢の共演——“おはなしパンカフェ”に町じゅうほっこり

図書館の一角で子どもと大人が絵本とキャラクターパンを手に微笑む様子の写真。 異業種コラボ事例
おはなしパンカフェで本とパンを楽しむ町の人々。

静かな図書館に、焼きたてパンの香ばしい匂いと笑い声が広がっている。今、北の町・茅野川に、絵本とパンが手を取り合ったちょっと不思議であたたかなコラボカフェが誕生し、地域の人々を笑顔にしている。

プロジェクトの主役は、勤勉なパン職人・大西美咲(37)と、本好き司書の羽田新一(45)。昨冬、大西が息子のためにパンで絵本の主人公をかたどったことがきっかけだった。偶然パン屋を訪れた羽田がそのアイデアに心を動かされ、「絵本を読みながら、その世界を味わえるパン屋と図書館のコラボはどうか」と持ちかけたのだ。

半年の準備期間を経て、4月に“おはなしパンカフェ”がスタート。図書館内の小さな一角に、大西特製の物語パンが毎週土曜日限定で並ぶ。『まほうのこうさぎ』のチョコうさぎパンや、『そらとぶかめ』の抹茶カメパン、季節ごとに替わるオリジナルキャラクターパンが、読書コーナーとともに子どもたちの瞳を輝かせている。

「パンを食べることで、子どもも大人も物語への愛着が深まる」と羽田は語り、選書にも工夫を凝らす。今月はサステナビリティをテーマにした絵本を特集し、大西も地元農家の野菜を活かした『森のエコロール』を新発売。廃棄削減のためパンの端切れで作った“しあわせクルトン”はお土産に人気だ。町の高齢者グループが自発的に読み聞かせボランティアに参加するなど、予想外の相乗効果も生まれている。

SNSでは「子どもと本とパン――全部だいすきなものがひとつに」「カフェで本に出会い、帰り道でお話しをもう一度思い出せる」と町外からの来訪者の投稿が目立ち、週末ごとの限定パン争奪戦はさながら小さなにぎわい祭りだ。両名は「やがて、子どもがパンや物語を通して人と人とを繋ぐ“町の懸け橋”になってくれたらうれしい」と口をそろえる。パン生地のやわらかさと本の紙のぬくもり——この町ならではのコラボレーションは、今日も人々に優しい時間を贈り続けている。

コメント

  1. うちの娘も絵本やパンが大好きなので、こんなカフェがあったら絶対通いたいです!お話と一緒にパンを食べたら、きっと忘れられない思い出になりそう。子どもたちの心が育つ素敵な場所ですね。