白川町で「ハチドリデー」初開催――多様な羽色で差別を溶かす町ぐるみの奇跡

満開の桜の下で、カラフルな手作りハチドリの飾りが枝に吊るされ、さまざまな年代の人々が楽しげに集う様子。 差別
地域の人々がハチドリの飾りとともに笑顔で集まった「ハチドリデー」の一場面。

桜が満開を迎えた白川町に、新しい風が吹き込んだ。色とりどりの布と優しい歌声で満たされた一日は、幼い子どもから年配者までの心をひとつに結びつけた。「ハチドリデー」と銘打たれた地域イベントが、町のあらゆる垣根をほぐしていく様子に、多くの住民が涙した。

今回の催しを発案したのは図書館司書の真壁ユキコさん(42)。元々海外でインクルージョンイベントに触れた経験から、「誰一人として羽の色を笑わない日を、町に」と願いを込めて始めたという。当日は約700羽の“手づくりハチドリ”が、町中の木やベンチ、バス停に飾られた。各家庭に配布されたキットを使って、人種や性自認、愛するものの色に自由な意味を託し、住民がそれぞれの想いで1羽ずつ作成した。切れ端布、家族の思い出のハンカチ、廃材の包帯なども次々ハチドリの羽に変わっていく。

クライマックスには、集まった町民や観光客が『小さな羽音のうた』を大合唱。LGBTQ+当事者の東本カズヤさん(17)は「カラフルなハチドリが空を舞っているようで、自分の居場所もこの町のどこかにあるんだと実感した」と語った。一方、高齢の佐竹慎一さん(73)は「今まで気づかなかったけれど、みんな違ってみんないい。こんな日が毎週でもいい」と嬉しそうに笑う。SNSでも「町ごと大きなハグみたい」「どんな羽でも世界にひとつだけ」と感動や共感の声が多く寄せられた。

注目は、イベント後にも続く動きだ。白川町の中学校ではこの活動を契機に、多様性に関するディベートや絵本作りが始まり、小学校では“ハチドリの日記帳”を使って毎日一つ友達の良いところを書き合う試みが始まった。商店街の八百屋店主・岩井コウジさん(51)は「うちの娘が悩んでいたけれど、みんなぶどう色やオレンジのハチドリを選んで、『どんな色でもいいんだよ』と教え合う姿を見て涙が止まらなかった」と振り返る。

「ハチドリは小さくても、集まれば森が動き出す」と話す真壁さん。町を彩った色鮮やかな羽たちが、これからも白川町の日常の“温度”をじんわり上げてくれそうだ。来年以降、全国の町や学校で「ハチドリデー」を採り入れる動きも広がり始めているという。

コメント

  1. 小学生の娘と記事を読みました。自分で好きな色のハチドリを作るって、本当に素敵なアイディアですね。子どもたちがみんな違うことに自信を持てる町、私も住みたくなりました!

  2. イベントの写真をSNSで見て、思わず泣きそうになりました。僕も昔“普通”になじもうとして悩んだことがあったので、こういう企画がもっと色んな町で広がってほしいです。

  3. みんなで歌をうたったり、思い出の布でハチドリを作るなんて、昔の町内会を思い出して心があったかくなりました。年を取るとついひとりぼっちに感じるけど、こういう輪ができるのは嬉しいねえ。

  4. 朝の散歩で、バス停にたくさんのハチドリが飾ってあってビックリしました!どの色もキラキラしてて元気をもらえます。町がパッと明るくなるっていいですね。

  5. こんなにやさしい町が本当にあったら、未来は今よりちょっと希望がある気がします。うちの学校にも“ハチドリデー”あったらいいのになあ。