春の陽ざしがやわらかく差し込む田園地帯に、思わず息をのむ景色が広がっている。北関東の小さな集落・猿取町では、家々の間に数万本ものひまわりが風に揺れ、住民も観光客も皆笑顔だ。この鮮やかな変化の裏には、一人の中学生が起点となった意外な“循環”の物語があった。
「毎朝、ゴミ箱からひまわりの芽が出ていたんだ」と語るのは、町立猿取中学校2年・鴻上碧音(こうがみ あおね・14)。きっかけは町のゴミ焼却場が老朽化し、春の一斉清掃を控えてゴミ減量意識が高まったこと。碧音さんは学校の自由研究で、家庭ごみの80%近くが生ゴミや紙パックなど、すぐに土に還る資源で占められていることを発見した。友人と話し合ううち「全部ひまわりの肥料にしてみたら?」という冗談が出て、それが“大長ひまわりまわし咲きプロジェクト”の発端となる。
プロジェクトの方法はいたってシンプル。町内のスーパーや商店会が協力し、買い物ごとに配られるエコバッグに専用のコンポスト袋(ひまわりの種入り)を同封。住民が家庭から出る生ゴミや使用済み紙パックを袋へ入れ、週末の町内会で持ち寄る。ボランティアの手でコンポストに混ぜ、そこからできた肥料で町内の空き地や畑、歩道沿いにひまわりの種を蒔いた。始まりは少人数だったが、手作りの「ひまわり収穫おすそ分け会」や、種まき&苗植え体験を通して口コミが広がり、今では町内450世帯中、8割以上の家庭が参加している。
ひまわりの開花シーズンには、町に独自の『花とゼロウェイスト観光バス』が走り、地元の再生可能エネルギー電車も増便された。町役場職員の阿久津典子(あくつ のりこ・56)は「ひまわりの種は町の小学校の給食や直売所でも大活躍。害虫も減り、温暖化対策でも注目されています」と目を細める。また町ぐるみでリサイクルとサーキュラーエコノミーを実践するこの取組みには、全国の自治体や企業から見学や問い合わせが相次ぐ。
SNSでは『#まわし咲き猿取町』が話題に。「子どもと散歩していると優しい挨拶が増えた」「電気自動車で来たけれど、町の人の笑顔が最高のエネルギー源」といった声が踊る。専門家の遠野雅浩(とおの まさひろ)環境経済学者(43)は「住民の誰もが気軽に楽しみながら資源循環を実感できる点が素晴らしい」と称賛した。ひまわり畑に吹く風の中で、“ゴミ”が人をつなぐ花へと生まれ変わる——猿取町の循環革命は、今日も優しい輪を広げている。


コメント
子育て中のママです。うちの子も最近ひまわりを種から育てるのに夢中なので、こんな町に住んでみたいなと思いました。ゴミ減らしとお花の取り組みを子どもたちが楽しみながら学べるのは素敵ですね。
長生きしてきましたが、町全体で協力してこんなに立派な景色になるとは…。昔は近所付き合いも多かったですが、こういうプロジェクトは人の心もあたたかくしてくれますね。見学に行ってみたいです。
学生です!正直、最初は地味だなーと思ったけど、友だちと一緒に参加できるイベントとかあったらめっちゃ楽しそう。自分のゴミがひまわりに変わるってちょっと感動ですね。
近所にこんな活動があったら毎日お散歩が楽しみになりそうです。ひまわりの花道を歩くなんて憧れます。町の人たちみんなでワイワイやるのもいいですね。
いや〜、この記事見てなんだか元気出ました!普段はちょっと無関心だったけど、ひまわり見てるだけで気持ちが明るくなるし、エコなのも最高。全国にも広まってほしいな!